人気講師3人のセミナーとあって、募集された180人の定員はすぐに埋まったそうです。当日は雨模様にも関わらず、朝早くから多くの方が参加されていました。

1人目の講師は、鈴木雅実先生（SJDドッググルーミングスクール）「まずはここから！ ベーシック・テディベア」を講題に120分間、実演を交えながら解説されていました。

参加者の手元には画像のような冊子が配られ、鈴木先生の解説と共にページをめくる進行で行われました。

実演の中で鈴木先生は、トリミングの手順を作る大事さをお話しされていました。自分なりのカットの手順を作るのが上手なトリマーになる近道なのだとか。どの職業にも当てはまりそうですね。

胸の被毛の三角部分をカットする時には、座らせてカットすると被毛が前に出てくるためにカットしやすく、後から切り残しも出て来ないそうです。時間短縮にもなりますね。

テディベアカットにおいてプードルの足を長く見せるコツは、お尻の毛をえぐるようにカットすると長く見えるとおっしゃってました。

線が入りがちな裏ばさみでは、動刃を外に向けカットする事により線が入るのを防ぐそうです。

マズルを大きく見せるテクニックは、マズルの幅よりも顔の幅を短くして、ある一定の可愛さになったらそこで止めるとの事でした。

カッコいいシザーの持ち方？や普段愛用している道具の話なども織り込まれた鈴木先生のセミナーはあっという間に120分が経過し終了いたしました。

トリミングの解説や参加された方との対話をしながらも、こんなに美しくカットしてしまう鈴木先生はさすがですね。助手の方の手際も見事でした。

2人目の講師は中村由美子先生（Jumi’s World）「アフロスタイル かわいく作るためのコツ」を講題にセミナーが行われました。

中村さんは子育てと並行してトリマーの勉強をされJKCのA級ライセンスを取得し、現在はトリマーの育成にも力を入れつつ、年中無休で働かれているそうです。セミナー当日のモデル犬はビションだったのですが、プードルにも通用するカットを実演されました。

クリッパーを使う時には、逆剃りにならないように毛の向きに注意して、自分の方に向かって動かすとキレイに剃れるそうです。

カット時には、犬を動かさずに人間が動くほうが良いそうで、中村さんは犬を中心にしてご自身が動かれていました。犬の姿勢を作り直す必要もなく見た目もキレイな為、競技会にも向いているそうです。

テールの毛を半分ずつに分けてカットされています。

頭の毛が割れないようにするには、中央の長い毛を左右の短い毛で支えるようにカットする事がコツだそうです。

100分間のセミナー終了後には、参加者のみなさんからの写真撮影と質問攻めに合っていました。

3人目の講師は長瀬健一さん（BUBBLES）「マズルが長いコをかわいくカットするコツ」を講題にセミナーが行われました。

いつもは座ってカットされる長瀬さんですが、手元を見えやすくしたり参加者の方と対話をするために、今回のセミナーでは立って実演をされます。

痩せている犬のタックアップにクリッパーを入れ過ぎると、へこみ過ぎて足とのバランスが取れなくなるため注意が必要との事です。

後肢のAラインをバランスを良く見せるには、お尻を小さくカットして足先まで徐々に大きく広げていき、ハサミは下から上に入れて行くとキレイにカット出来るそうです。

足裏周りや足先の毛は一番先にカットすると習いがちなんですが、長瀬さんの場合は足の形を作る時に、足周りの毛の長さが重要と考え、後からカットされるそうです。

100分間のセミナーが終了しましたが、セミナー後も参加者の質問に一つ一つ丁寧に答える長瀬さんが印象的でした。

3名の講師によるセミナーでしたが、それぞれの解説には多くの共通点があり、また相違点もあり考えさせられる事が多かったです。また今回「かわいくするための“コツ”」がテーマでしたが、明日から使えるようなコツが多くきっと会場に来ていたみなさんも勉強になったんではないでしょうか？