28年前のこと。まだ新人ベイザーのように先輩の犬達をいつもたくさん下準備していた頃、当然未熟な僕は犬達によくバカにされしょっちゅう噛まれていた。
ある日のこと、、、その店では伝説に近い噛み犬こと「風間チャッピー」というマルチーズの下準備を任されることになった。チャッピーの飼い主は優しい老夫婦で、怒る叱るなどというには程遠いやんわりな飼い主である。美容に連れて来られるチャッピーは赤い小型のキャリーに無表情で入ったままノーチェックでお預かりした。
先輩からの指示もたいしてないまま下準備を始めたところ事件は起こる、、、
テーブルには普通に出した直後、チャッピーはまるで獣のように俊敏な動きで僕の手を噛み、その隙にテーブルをから飛び降り猛ダッシュ。美容室の扉も運悪く開いており、そのまま飼い主と上がってきた階段に向かってさらにダッシュ。その頃5階にあった美容室から下に向かう階段の手すりはチャッピーには余裕ですり抜けられる幅であった。チャッピーは何の躊躇もなくその手すりの幅をすり抜けジャンプ。下の階までは3メートル以上はある高さを思いっきり、、、そして空中に飛んだチャッピー、、、
必死に追いかけた僕はチャッピーの飛び込んだ手すりの幅へとっさに左手を投げ入れた、、、
まるでドラマのようなワンシーンだが、僕の左手はなんとかチャッピーの背中の被毛を掴んだのだ。
よしっ!っと思った瞬間、獣のようなチャッピーは僕の手を振り返りざまガブガブガブブブブ、、、と引き上げ手すりの幅をくぐり抜け最後までずっと激しく噛んでいた、、、
その後僕には無理と判断した先輩がチャッピーを受け取り普通に施術を行った。
ボロボロになった傷だらけの左手のように僕の心も自信消失でボロボロになったことを今でも昨日のことように覚えている。
話は本題に戻るが、その他にも「チャチャ」や「チャップリン」という「チャ」の付く噛み犬達と、同じように「けんちゃん」や「けん太」など「けん」の付く噛み犬達に僕は多く出会い、そして噛まれづらい方法を少しづつ身体で覚えられたのかもしれない。
っというわけで、ドリフターズのチャとけんはトークで噛まないが、犬のチャとけんは噛み犬が多いという都市伝説、、、
信じるも信じないもあなた次第です!(^^)/
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