UP TO YOU WORLD GROOMING SEMINAR 2018 in Tokyo レポート
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- staff 2018/2/15 14:20 閲覧 (14048)
2018年1月23・24日、世界のトップグルーマーと日本のカリスマトリマーによるグルーミングセミナー「UP TO YOU WORLD GROOMING SEMINAR 2018 inTokyo」(主催:株式会社プラック 会場:KFC Hall & Rooms )が開催されました。
このセミナーでは世界と日本のTOPに立つ6名の講師が共演、2日間にわたって講演が行われました。今回は23日のセミナーの様子をお伝えします。
セミナーの前日は記録的な大雪でした。交通機関に影響が心配されましたが、私たちが会場に到着するとすでに多くの参加者の方々が集まっていました。
今回のセミナーは1つの大部屋で、午前と午後の部(各3名)の講師が同時にカットを行い、通訳&解説者が会場内を回りながら講師の先生の話を聞いてまわる・・という日本では珍しいスタイルでした。※参加者は自由に移動ができます。
講師を務める豪華講師陣の紹介です。
右から
小島麻里 (soup*spoon)
中村由美子(Jumi's World)
Shaunna Bernardin(カナダ)
Kitty Dekeersgieter(ベルギー)
Olga Zabelinskaya(アメリカ)
※ここには写っていませんが・・Luis Martin del Rio (スペイン)は交通機関の影響で遅れて到着
「通訳」兼「解説」を務めるのは、現役のグルーマー「生井沢里美さん(チロのアトリエ)」と「浅野順平さん。(テリアージュ)」
英語がまったくわからなくても、非常に分かりやすく翻訳してくれます。しかもトリミングにおける経験や理論、「日本と欧米の違い」なども織り交ぜて解説されるので、大変勉強になります。
ベルギー出身の世界的グルーマーで、数々の輝かしい受賞歴を持ち、世界的グルーマーとして大変名誉な「World champion Poodle Groomer」という賞を2度受賞されています。
ハンドラーとしても沢山のチャンピオン犬を育てた経歴があり、現在はグルーマーの教育や業界の促進などにも携わっているそうです。世界中で大人気の「SHOW TECH スリッカー」の考案者でもあります。この日はスタンダードプードルをモデルに実演されました。
講演では、パーツが強調されるようにメリハリをつけるカットを実演。
胸元の張りを生かすため、首や肩の被毛は短くカット。膝の裏側では短く、表側は長くカットし角度を出すなどのテクニックを紹介されました。
頭部のトップ部分は全体のバランスを見てから最後にカットすると良いそうです。
カナダで最多受賞歴を持つトップグルーマーで、グルームチームCANADAの元メンバーでチームの一員として2度金メダルを獲得!カナダ国内ではトップハンドラーとしての顔も持ち、300以上の「ベストインショー」を獲得されています。現在では世界大会の審査員も務めているそうです。
今回のセミナーではシュナウザーを使ってカットの実演、解説を行いました。
セミナーでは、常に「最新の道具」を使用し作業の効率化を行えば、自己の体力負担、犬への負担両方を軽減する事ができ、短い時間でより多くのお金を頂く事が出来る・・と繰り返しお話されていました。シザーは10インチを使い、ベイジングではシャンプーマシンを使う事を強く薦めています。
クリッパーについては、スナップオンコームを使用することで、一頭につき(顔のカットも含め)20分以内で仕上げるそうです。あまりにも早くカットが終わってしまうので、この日は被毛のコンディションが異なる2匹のシュナウザーをカットされました。
世界でも活躍される日本のTOPトリマー。JKC公認トリマー教士、2012年JKCトリミング競技会理事長賞受賞。欧州や全米の大会でも多くの輝かしい受賞歴をお持ちです。
仙台市にあるトリミングサロン「Jumi's World」のオーナー。
セミナーではトイプードルを使ってのおまかせカットを実演。モデル犬のコートが15cmと長かったので、ボディを短くして足元にブレスを作成し、頭とブレスとテールの密度のバランスを取りながらのカットでした。
ちなみに中村さんのカット時間は、下準備を除くと一頭につき約30~40分で仕上げるそうです。
頭部は小顔に見えるようにサイドの毛を「耳の毛」としてカット。女の子なので可愛らしい仕上げをイメージしてカットされていました。参加者の質問にはハサミを止め、質問者が納得するまで丁寧に解説されていたのが印象的でした。
全米では指定のグルーミングコンテストで上位に入るとそのランキングに応じてポイントが付与されるのですが、その合計ポイント数で全米TOP10に入っているオルガさん。5年連続でグルーマーのアメリカ代表に選出されるなど輝かしい経歴を持ち、現在では国際的なコンテストでも審査員を務めらています。
本日のセミナーはシーズーのカットでした。
顔半分ずつを使って「丸顔カット」と「コリアンカット」を実演。
(画像の左半分が丸顔カット、右半分がコリアンカット)
コリアンカットでは、顔の側面を正面から見て直線的見えるようカットするのが特徴なのだそうです。
「丸顔カット」、「コリアンカット」共にアゴの毛は短くマズルは目尻の下まで作るのが共通点になります。
十代の頃からハンドリングを始め、プロ転向後は欧米で多くのBIS(ベストインショー)を獲得。
グルーマーとしても、2009年に開催されたバルセロナの世界大会ですべてのジャッジが一位に選出するなど大変な実力の持ち主です。
この日は交通機関の影響で遅れての会場入り、急ぎ足での講演となりましたが、とんでもないスピードで美しく仕上げていくテクニックを間近で見れたのはラッキーだったかも?
セミナーではシュナウザーをモデル犬にカットを実演。
首から背中にかけての傾斜が大きな個体では、お腹側の被毛もそれに合わせ八の字になるようにカットすると格好よく見えるそうです。
チェストの作り方では、耳の付け根から胸骨を通り上腕まで対角に結んだ線を2本交差させXの字を描き、そのXの下内側の毛を残すのがルイス流。
NHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」にも取り上げられるなど
各メディアから引っ張りだこの日本のカリスマトリマー。
下北沢の他、トリミングサロンを複数店舗経営されています。
今回のセミナーでは「ゴリラカット」なるスタイルを実演、解説。
ゴリラスタイルでは四肢に被毛を丸く残し、背中は大胆にカットしています。「どんなスタイルでも基礎であるスタンダードが大事。ラムクリップだったりクラウンを丸く作ったり、イマジナリーラインを丸く止めるなどの基本を応用する事でこのようなカットも行えます。」と基礎の大事さをあらためて強調。
実演終了後には珍しいカットとあり、セミナー参加者が周りを取り囲んでいました。
ゴリラカットは1カ月以上もスタイルを保つ事が出来、途中でシャンプーすればフワッとしてよりゴリラ感が増すそうです。
また、ゴリラカットはノースリーブの犬服を着ると袖から肢が「ボッ」と出てとっても似合うとの事です。
会場では、スリッカーブラシ、シザーなどトリミング関連用品を販売。
講師が実演で使用していた商品もあり、講演終了後には買い求める参加者が多く見られました。
こちらは世界のトップグルーマー達が数多く愛用しているARTERO(アルテロ)トリミングスプレー。今回のセミナーでも多くの講師の方々が使用。あらゆる犬種、毛質に応じた幅広いラインアップが用意されています。
こちらの画像は会場の一角で展示されていたトリミング練習用のウィッグです。
実際に触ると毛質も本物同様の質感。ウィッグはスリッカーをかけると毛が切れたり抜けたりするのですが、こちらの商品はそれが大きく改善されている点が素晴らしいです。
一番の注目点は被毛が着脱式となっている所です。被毛の部分だけを買えばよいので、教材としてもコストパフォーマンス高そうです!
こちらは着脱式ウィッグの顔バージョン。
※ご紹介した脱着式ウィッグは株式会社プラックさんから今春発売予定だそうです。
今回、開催された「UP TO YOU WORLD GROOMING SEMINAR 2018 in Tokyo」前日の大雪の影響で参加者の足並みが心配されましたがスタートしてみれば、会場は満席になっていました。
会場では、食い入るように講師のカットを見ている人、熱心にメモを取る人、撮影をする人、どの講師を見ようかと行ったり来たりする人など様々でしたが、日本に居ながら、世界のトップグルーマーたちの技術を見たり、聞いたり、質問したりする機会はほとんど無いので、とても貴重な一日になったことだと思います。
次回開催の際には、またトリマージェイピーでお伝え出来ればと思います。
今回のセミナーは1つの大部屋で、午前と午後の部(各3名)の講師が同時にカットを行い、通訳&解説者が会場内を回りながら講師の先生の話を聞いてまわる・・という日本では珍しいスタイルでした。※参加者は自由に移動ができます。
講師を務める豪華講師陣の紹介です。
右から
小島麻里 (soup*spoon)
中村由美子(Jumi's World)
Shaunna Bernardin(カナダ)
Kitty Dekeersgieter(ベルギー)
Olga Zabelinskaya(アメリカ)
※ここには写っていませんが・・Luis Martin del Rio (スペイン)は交通機関の影響で遅れて到着
「通訳」兼「解説」を務めるのは、現役のグルーマー「生井沢里美さん(チロのアトリエ)」と「浅野順平さん。(テリアージュ)」
英語がまったくわからなくても、非常に分かりやすく翻訳してくれます。しかもトリミングにおける経験や理論、「日本と欧米の違い」なども織り交ぜて解説されるので、大変勉強になります。
23日午前の部
講師:Kitty Dekeersgieter
ベルギー出身の世界的グルーマーで、数々の輝かしい受賞歴を持ち、世界的グルーマーとして大変名誉な「World champion Poodle Groomer」という賞を2度受賞されています。
ハンドラーとしても沢山のチャンピオン犬を育てた経歴があり、現在はグルーマーの教育や業界の促進などにも携わっているそうです。世界中で大人気の「SHOW TECH スリッカー」の考案者でもあります。この日はスタンダードプードルをモデルに実演されました。
講演では、パーツが強調されるようにメリハリをつけるカットを実演。
胸元の張りを生かすため、首や肩の被毛は短くカット。膝の裏側では短く、表側は長くカットし角度を出すなどのテクニックを紹介されました。
頭部のトップ部分は全体のバランスを見てから最後にカットすると良いそうです。
講師:Shaunna Bernardin
カナダで最多受賞歴を持つトップグルーマーで、グルームチームCANADAの元メンバーでチームの一員として2度金メダルを獲得!カナダ国内ではトップハンドラーとしての顔も持ち、300以上の「ベストインショー」を獲得されています。現在では世界大会の審査員も務めているそうです。
今回のセミナーではシュナウザーを使ってカットの実演、解説を行いました。
セミナーでは、常に「最新の道具」を使用し作業の効率化を行えば、自己の体力負担、犬への負担両方を軽減する事ができ、短い時間でより多くのお金を頂く事が出来る・・と繰り返しお話されていました。シザーは10インチを使い、ベイジングではシャンプーマシンを使う事を強く薦めています。
クリッパーについては、スナップオンコームを使用することで、一頭につき(顔のカットも含め)20分以内で仕上げるそうです。あまりにも早くカットが終わってしまうので、この日は被毛のコンディションが異なる2匹のシュナウザーをカットされました。
講師:中村由美子
世界でも活躍される日本のTOPトリマー。JKC公認トリマー教士、2012年JKCトリミング競技会理事長賞受賞。欧州や全米の大会でも多くの輝かしい受賞歴をお持ちです。
仙台市にあるトリミングサロン「Jumi's World」のオーナー。
セミナーではトイプードルを使ってのおまかせカットを実演。モデル犬のコートが15cmと長かったので、ボディを短くして足元にブレスを作成し、頭とブレスとテールの密度のバランスを取りながらのカットでした。
ちなみに中村さんのカット時間は、下準備を除くと一頭につき約30~40分で仕上げるそうです。
頭部は小顔に見えるようにサイドの毛を「耳の毛」としてカット。女の子なので可愛らしい仕上げをイメージしてカットされていました。参加者の質問にはハサミを止め、質問者が納得するまで丁寧に解説されていたのが印象的でした。
23日午後の部
講師:Olga Zabelinskaya
全米では指定のグルーミングコンテストで上位に入るとそのランキングに応じてポイントが付与されるのですが、その合計ポイント数で全米TOP10に入っているオルガさん。5年連続でグルーマーのアメリカ代表に選出されるなど輝かしい経歴を持ち、現在では国際的なコンテストでも審査員を務めらています。
本日のセミナーはシーズーのカットでした。
顔半分ずつを使って「丸顔カット」と「コリアンカット」を実演。
(画像の左半分が丸顔カット、右半分がコリアンカット)
コリアンカットでは、顔の側面を正面から見て直線的見えるようカットするのが特徴なのだそうです。
「丸顔カット」、「コリアンカット」共にアゴの毛は短くマズルは目尻の下まで作るのが共通点になります。
講師:Luis Martin del Rio
十代の頃からハンドリングを始め、プロ転向後は欧米で多くのBIS(ベストインショー)を獲得。
グルーマーとしても、2009年に開催されたバルセロナの世界大会ですべてのジャッジが一位に選出するなど大変な実力の持ち主です。
この日は交通機関の影響で遅れての会場入り、急ぎ足での講演となりましたが、とんでもないスピードで美しく仕上げていくテクニックを間近で見れたのはラッキーだったかも?
セミナーではシュナウザーをモデル犬にカットを実演。
首から背中にかけての傾斜が大きな個体では、お腹側の被毛もそれに合わせ八の字になるようにカットすると格好よく見えるそうです。
チェストの作り方では、耳の付け根から胸骨を通り上腕まで対角に結んだ線を2本交差させXの字を描き、そのXの下内側の毛を残すのがルイス流。
講師:小島麻里
NHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」にも取り上げられるなど
各メディアから引っ張りだこの日本のカリスマトリマー。
下北沢の他、トリミングサロンを複数店舗経営されています。
今回のセミナーでは「ゴリラカット」なるスタイルを実演、解説。
ゴリラスタイルでは四肢に被毛を丸く残し、背中は大胆にカットしています。「どんなスタイルでも基礎であるスタンダードが大事。ラムクリップだったりクラウンを丸く作ったり、イマジナリーラインを丸く止めるなどの基本を応用する事でこのようなカットも行えます。」と基礎の大事さをあらためて強調。
実演終了後には珍しいカットとあり、セミナー参加者が周りを取り囲んでいました。
ゴリラカットは1カ月以上もスタイルを保つ事が出来、途中でシャンプーすればフワッとしてよりゴリラ感が増すそうです。
また、ゴリラカットはノースリーブの犬服を着ると袖から肢が「ボッ」と出てとっても似合うとの事です。
会場では、スリッカーブラシ、シザーなどトリミング関連用品を販売。
講師が実演で使用していた商品もあり、講演終了後には買い求める参加者が多く見られました。
こちらは世界のトップグルーマー達が数多く愛用しているARTERO(アルテロ)トリミングスプレー。今回のセミナーでも多くの講師の方々が使用。あらゆる犬種、毛質に応じた幅広いラインアップが用意されています。
こちらの画像は会場の一角で展示されていたトリミング練習用のウィッグです。
実際に触ると毛質も本物同様の質感。ウィッグはスリッカーをかけると毛が切れたり抜けたりするのですが、こちらの商品はそれが大きく改善されている点が素晴らしいです。
一番の注目点は被毛が着脱式となっている所です。被毛の部分だけを買えばよいので、教材としてもコストパフォーマンス高そうです!
こちらは着脱式ウィッグの顔バージョン。
※ご紹介した脱着式ウィッグは株式会社プラックさんから今春発売予定だそうです。
今回、開催された「UP TO YOU WORLD GROOMING SEMINAR 2018 in Tokyo」前日の大雪の影響で参加者の足並みが心配されましたがスタートしてみれば、会場は満席になっていました。
会場では、食い入るように講師のカットを見ている人、熱心にメモを取る人、撮影をする人、どの講師を見ようかと行ったり来たりする人など様々でしたが、日本に居ながら、世界のトップグルーマーたちの技術を見たり、聞いたり、質問したりする機会はほとんど無いので、とても貴重な一日になったことだと思います。
次回開催の際には、またトリマージェイピーでお伝え出来ればと思います。