
「動物病院 &トリミングサロン向け ハッピー経営のための応援ブログ」
投稿日時 : 2026-05-08 10:51:38 (0 ヒット)

1.5月の経営環境と見え隠れするインフレの波
ゴールデンウィークの連休も終わり、新緑の眩しい季節となりましたが、経営者の皆様はいかがお過ごしでしょうか。 例年、5月は消費者や飼い主のお財布の紐が固くなる時期です。大型連休での出費がかさむことに加え、自動車税や固定資産税などの納税通知書が届き、家計が「緊縮財政」に陥りやすいからです。
そして、あらゆる物価が上昇しています。ガソリン価格、金価格、石油製品からエアコンまで、揃いもそろって上がっている現状は、一般消費者の生活を確実に圧迫しています。
2.データが示す飼い主の家計状況
ターゲットとなる消費者(飼い主)の動向を冷静に整理してみましょう。厚生労働省の「国民生活基礎調査」によれば、日本人の世帯年収はピークだった1994年の664万円から、直近(2023年)では536万円へと約2割ダウンしています。2024〜2025年の数値はお上の発表にタイムラグがあり確認できませんが、この30年程で家計から年間128万円もの余裕が消え去っています。”失われた30年”と言うのは簡単ですが、減少額の累計はじつに3800万円ほどになります。このダメージは根が深く、小手先の政策で回復するとは考えられません。
また、生活意識の低下も顕著です。空前のペットブームに沸いた2001年当時、生活に「大変ゆとりがある」「ややゆとりがある」「普通」と答えた世帯の割合は48.5%でした。犬などの維持費がかかるペットは、本来こうした経済的・精神的ゆとりのある層に飼育されてきましたが、直近の調査ではその割合が41.2%まで減少しています。
近年、最低賃金が上昇してきましたが、家計全体への波及効果は小さく、”焼け石に水”のような状況といえるでしょう。
3.経営戦略の方向転換
諸物価が大幅に上がっている現状は、一般消費者の生活を確実に圧迫しています。企業の業績がそれに伴って上昇し、賃金も順調に上がれば良いのですが、現実はそう甘くありません。
結論を申し上げますと、現在の日本は悪性のインフレ(スタグフレーション)に近い状況下にあると認識すべきです。
経営の現場に目を向けると、原価や人件費や固定費が否応なく上がる中で、消費者の支出意欲は減退しているという、非常に舵取りの難しい局面を迎えています。この強い旋風の中で会社を繁盛させるには、経営者の手腕が問われます。
4.経営のスクリーニング
それでは、あなたのサロンや動物病院における経営状態は適正でしょうか?いろいろと点検すると、経営の歪み(異常値)が早期発見できます。
【原価率】
諸物価(原価)が高騰していると、原価率が上昇しているかもしれません。ここ数年の推移を確認してみてください。また、業界平均とも比べて、適正かどうかも要チェックです。
【人件費比率】
最低賃金が上昇すると、人件費比率が上がりやすいです。ここ数年の推移を確認してみてください。また、業界平均とも比べて、適正かどうかも要チェックです。
【営業利益】
原価率や人件費比率が上がると、営業利益が減少します。ここ数年の推移を確認してみてください。また。業界平均とも比べて、適正かどうかも要チェックです。その際、役員報酬の割合によってブレますから、そこも織り込んでの検証が必要です。
いかがでしょうか。数項目をスクリーニングすると、経営の歪み(異常値)が発見できます。管理会計で毎月集計できていれば、タイムリーに気付きます。が、そのような管理会計をトリアージ(先送り)している場合は、異常の発見が遅れ、苦戦しかねませんので、注意が必要です。具体的には、売上の数パーセントが蒸発しかねません。例えば1千万円の事業規模であれば、数十万円に相当します。1億円の事業規模であれば、数百万円に相当します。
5.値上げやむなし
最低賃金の上昇や物価高騰を、企業努力と称して会社が背負うことには限界があります。悪性のインフレ(スタグフレーション)に近い状況下であるならば、もはや値上げをするしかありません。「値上げ?そんなことをして飼い主様の信用を失いたくない」という、経営者としての誠実なお気持ちは痛いほど分かります。しかし、時流に適応しなければ、淘汰されてしまいます。もしもあなたのサロンや病院が閉鎖してしまったら、通い慣れた多くの飼い主やペットたち、スタッフ、利害関係者が路頭に迷い、悲しむことになります。
値上げにはいろんな分析→準備→展開を戦略的に練らなければなりませんが、まずは「よし、時流に適応して、うちも値上げをしようか」と思うことが肝要です。
6.ゴーイングコンサーン
値上げのための心の準備として、商売の原理原則を確認しておきます。近江商人の”三方よし”という考え方です。「商売において売り手と買い手が満足するのは当然のこと、社会に貢献できてこそよい商売といえる」という趣旨ですが、その順番に意味があります。(1)売手よし、(2)買い手よし、(3)世間よし、の順です。まずは、売り手が適切な利益を確保しなければ、商いは継続できません。経営者である以上、会社を存続させる「サバイバル」を最優先に考える必要があります。根がまじめな人ほど、「そんなのは商売っ気丸出しのエゴだ」と嫌悪感を覚えるかもしれませんが、鵜の目鷹の目でみると、そのエゴがお客さんや世の中の為でもあるのです。不況期こそ格好をつけず、「適切な利益確保という商売の原理原則」に立ち返ることをお勧めします。
あなたの会社が100年続きますように・・・
そして、
トリミング業界と動物病院業界がますます繁盛しますように・・・
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株式会社フクノカミ Fukunokami Consulting Inc.
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