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「動物病院 &トリミングサロン向け ハッピー経営のための応援ブログ」

投稿日時 : 2026-03-02 13:42:55 (45 ヒット)


春は新規顧客の獲得や繁忙期に向けての準備にお忙しいことと思いますが、如何お過ごしでしょうか。巷では、動物病院の倒産急増、2年連続の最多という情報が流れていますので、ペット関連事業全体の視点から検証してみようと思います。ちょっと長いですが、ご参考になれば幸いです。

S(Subjective:主訴・現状認識)
ペット関連事業の倒産・廃業の実態

先週リリースされた東京商工リサーチのデータでは、これまで倒産が少ない業種の一つだった動物病院で、倒産件数が2年連続で過去最多を更新しているとレポートしています。

その件数というのは、1996年度から2023年度までの28年間で、合計してもわずか数件という極めて少ない状況でした。ほとんどの年が0件か1件で、最多でも2012年度の3件という水準だったのです。それが、2024年度(2024年4月〜2025年3月)は5件、2025年度(2024年4月〜2026年1月までの10カ月間)は8件と増加しています。

東京商工リサーチは倒産件数とは別に、休廃業・解散というケースも集計しており、倒産と休廃業は法的には異なりますが、そちらの数字でいくと2024年(1月〜12月)は2013年以降で最多の46件だったそうです。これに2024年の倒産件数5件を足すと、51件となります。

農林水産省の統計によると、動物病院(小動物臨床)の開設届出数(年末時点)は、2022年12,616件、2023年12,706件(増加率0.7%)、2024年12,846件(増加率1%)と増加しています。

東京商工リサーチでの上記51件を、2024年の動物病院届出数12,846件で除すと、

51÷12,846=0.397%
となります。これが動物病院の廃業・倒産の割合といえるのではないでしょうか。ただし、東京商工リサーチのデータは「把握できた件数」であり、実際にはもう少し多い可能性もあることは念頭に置く必要があります。

ちなみに、中小企業白書(2025年版)によると、日本の企業の廃業率(2023年度)は3.9%、開業率(2023年度)も3.9%で、開業率と廃業率が均衡しています。動物病院の廃業・倒産割合は、一般企業の廃業率よりも1桁少ないことになりますので、とても堅実な事業ということができます。これは、トリミングサロンなどペット関連事業全体にも通じる傾向です。地域に根差した事業は、ペットを愛する飼い主さんとの信頼関係によって長年支持されてきました。「うちは全然大丈夫だよ」という経営者が殆どではないかと思いますが、「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」と言います。東京商工リサーチのレポートを警鐘として受け止め、世の中の経営環境がどのように変化しているのかを把握しておく必要があるでしょう。

O(Objective:客観的所見・環境分析)
経営環境の変化という客観的事実

一般企業は厳しい変化に直面しています。2024年の全国の倒産件数は10,006件に達し、2021年を底に増加傾向が続いています。また、休廃業・解散件数も2024年には約7万件となり、増加傾向に転じています。

賃金面で大手に劣る中小企業では、人材の流動化が進み、より賃金の高い職場を目指す人が増え、人材の確保が難しくなり、業績にも影響しているようです。東京商工リサーチは「2026年は『賃上げ疲れ』が経営に深刻な影響を及ぼす企業を中心に、倒産の増加も危惧される」と警鐘を鳴らしています。加えて、ゼロゼロ融資などのコロナ借換保証の返済開始、金利上昇など、複合的なリスクが経営基盤を揺るがしました。企業はコスト削減と収益改善という課題に直面し、抜本的な経営戦略の再構築を迫られた一年でした。そして、後継者不足や経営者の高齢化による「あきらめ廃業」も増えているようです。

ペット関連事業が堅実な事業と言えども、どんな経営者でも常に安泰というわけではありません。大きなリスクがなかったペットブーム時は、普通に経営していれば自然と繁盛しました。しかし、経営環境が大きく変化している今、経営課題を早期発見できずに倒産というステージまで悪化してしまうのか、あるいは経営課題を早期発見して早めに対策しておくかで、この先の明暗が分かれます。東京商工リサーチによると、動物病院の倒産でも、「業績不振」が主因のケースが大半を占め、「人手不足」が影響したケースも複数見られます。これはペット関連事業全体に通じる傾向といえるでしょう。これを対岸の火事と考えるか、先行指標として学ぶかは経営者の自由ですが、数字は正直です。経営におけるリスクの兆しは、現預金の残高に現れます。経営課題を克服している事業者の現預金は順調に増加します。一方、現場に忙殺されてしまっている経営者は経営課題を後回しにしてしまい、気付いたら現預金がどんどん減少していきます。早春は1年を通じてとくに現預金が少なくなる季節ですので、一度試算表を見直しておかれるとよいでしょう。月商の1ヶ月分を下回る残高であれば、イエローカードと思っておくべきでしょう。

ここで、一般企業にもペット関連事業にも当てはまる経営環境の変化を整理してみます。

1)働き方改革

残業時間をできるだけ撲滅せざるを得なくなりました。適正な人員体制を維持しなければならず、少数精鋭での精神論が通用しなくなりました。トリミングサロンでも動物病院でも、スタッフの労働環境を整えることが、今や事業継続の必須条件となっています。従業員に有給休暇を適切に取得させなければなりませんし、従来よりも従業員の頭数を増やさなければ現場が回らないので、人件費の総額は増加しています。

2)最低賃金の上昇

この5年間で最低賃金(全国加重平均)は2020年10月の902円から2024年10月の1,055円へと17.0%も上昇しました。2025年10月にはさらに1,121円となり、2020年から5年間で実に24.3%の上昇となっています。今後も続くとみられる上昇に、小規模事業者がどこまで対応して人材を確保していけるかが大きなポイントとなります。特に若手スタッフの給与水準を最低賃金以上に保つことは、採用競争力に直結します。

3)諸物価高騰

総務省によると、消費者物価指数は2020年を100として、2026年1月時点で112.9に上昇しています。約13%の物価上昇が起きているということです。シャンプー剤、トリートメント、医薬品、医療材料、光熱費、すべてのコストが上昇しています。中小企業白書でも、「物価高」を要因とした倒産の件数が増加していることが指摘されています。何もしなければ、これらが原価率をダイレクトに上昇させ、収益を吹き飛ばしてしまいます。

続いて、ペット関連事業に特有の経営環境の変化を整理してみます。

4)設備投資や技術習得への負担

トリミングサロンであれば、最新の設備や高品質なシャンプー剤・道具への投資、新しい技術の習得。動物病院であれば、CT、MRI、内視鏡などの高度医療機器への投資。それぞれの事業形態において、顧客ニーズの高度化に応えるための投資負担が重くなっています。しかし、設備や技術に投資をしても、一定以上の割合で適切に活用できなければ、「仏作って魂入れず」になってしまい、経営を圧迫します。

5)競争環境の変化

大手チェーンの展開や、専門特化型の店舗・病院の台頭により、競争環境が激化しています。かつては「家から近い」「通いやすい」という理由で選ばれた地域密着型の事業者も、お客様の目がシビアになり、技術力や設備、接客の質、説明のわかりやすさで比較されるようになっています。サービスレベルを上げる努力を後回しにしてしまうと、「安売り」と「愛想のよさ」で戦わざるを得ず、顧客層も"安けりゃいいや"という意識のお客様ばかりになりかねません。

A(Assessment:評価・解釈)
ピンチはチャンス:変化をどう捉えるか

しかし、ここで視点を変えてみましょう。変化に対応できない事業者は苦戦しますが、プロアクティブに変化を機会と捉えて進化できる事業者は、さらに強くなれるのです。働き方改革は、業務を見直し、効率化と分業体制を進化させる絶好の機会です。最低賃金の上昇は、賃金体系と評価制度を整備し、優秀な人材が定着する組織を作るきっかけになります。物価高騰は、料金体系を適正化し、提供する価値をお客様に正しく伝える契機となります。競争激化は、自店・自院の強みを明確にし、差別化戦略を打ち出す好機なのです。

そして、「チャンス」に乗ることが出来ると、5年後10年後の企業価値は雲泥の差となるでしょう。例えば5年後10年後に事業承継でイグジット(ハッピーリタイア)をイメージしている経営者は、大げさな表現かもしれませんが、将来の企業価値を左右する運命の分かれ道になると思います。

P(Plan:計画・実行すべきこと)
変化をチャンスに変える6つの進化の方向性

変化に対応して進化する事業者には、以下のような対応策が求められます。

(1)効率的な業務体制の確立

役割分担を明確にし、それぞれのプロフェッショナルが最大限に力を発揮できる環境を整えましょう。トリミングサロンであれば、グルーミング担当とカット担当の分業制を徹底することで、技術の質が向上し、作業効率も上がります。動物病院であれば、獣医師の時間を「診療・判断・学習」に集中させ、清掃・補充・滅菌・在庫管理などを動物看護師や事務スタッフに適切に分担します。業務の標準化と役割分担の明確化が、働き方改革への最良の対応であり、サービス品質の向上にもつながります。

(2)人材が定着する組織づくり

従業員の賃金(とくに若年層)は最低賃金を下回らないように賃金体系をアレンジしましょう。また、中堅・ベテランも公平に年収が上がるように賃金体系と評価制度を整備しましょう。トリマー、獣医師、動物看護師といった技術職が長く働き続けられる環境づくりが、事業の継続性を左右します。人件費の上昇は確かにコスト増ですが、優秀な人材が定着することで、採用コストの削減、サービス品質の安定、お客様の満足度向上というリターンが得られます。

(3)価値を適正に伝える料金設計

原価や人件費や経費が上昇した分、料金体系も見直しをしましょう。ただし、単に値上げをするのではなく、提供している価値をお客様に丁寧に説明することが重要です。なぜこのシャンプー剤を使うのか、なぜこのカットスタイルを提案するのか、なぜこの検査が必要なのか。お客様に納得と信頼を得たうえで適正な料金をいただく。これは、事業者もお客様もウィン・ウィンの関係を築くための基本です。

(4)戦略的な投資判断

設備や道具、医療機器、人材への投資をする際は、投資回収の見通しを慎重に検討しましょう。商圏の人口、競合の状況、自店・自院のシェア、スタッフの技術レベルを総合的に判断し、本当に必要な投資かどうかを見極めることが重要です。場合によっては、「持たない経営」も一つの戦略です(いわゆる弱者の戦略)。一方、自店・自院の得意分野のシェアが一定以上あれば、強者の戦略として一気呵成に投資すべきかもしれません。自分たちの方向性に合った投資をすることで、無理のない成長が実現できます。

(5)明確な差別化戦略の構築

総合的なサービスを提供するのか、特定分野に特化するのか。トリミングサロンであれば、カットの技術力で勝負するのか、皮膚ケアに特化するのか、高齢犬のケアに注力するのか。動物病院であれば、総合診療なのか、特定分野を強化するのか、予防(先制)医療重視なのか。自店・自院の強みと方向性を明確にし、お客様に選ばれる理由を作りましょう。「何でもできる」ではなく、「この分野ならここ」という位置づけを確立することが、競争環境の中で生き残る鍵となります。差別化は、価格競争から脱却し、価値競争で勝つための戦略です。

(6)デジタル化と効率化の推進

予約システム、顧客管理システム、在庫管理システムなど、デジタルツールを活用することで業務効率が大幅に向上します。スタッフの負担を減らし、ミスを防ぎ、お客様へのサービス品質を高めることができます。SNSやウェブサイトを活用した情報発信も、新規顧客の獲得やリピーターの増加につながります。初期投資は必要ですが、長期的には人件費の適正化や顧客満足度の向上につながります。

上記(1)〜(6)はオーソドックスなマーケティングとマネジメントの話に過ぎませんが、個々の事業者ごとに最適な手順と組み合わせがあります。それらを、優れたオーケストラの交響曲のハーモニーのように調和させることが肝要です。自店・自院の強みを活かした戦略を描き、独自に実行に移していく。その過程で、経営の専門家やコンサルタントなど、信頼できるパートナーに相談しながら進めることも有効です。

パートナー選びの落とし穴
変化の時代だからこそ、一人で抱え込まず、知恵を借り、共に考える。そうした姿勢が、事業の未来を切り拓きます。ただし、パートナー選びには注意が必要です。

例えば、自分の愛犬を動物病院に連れて行ったとき、若い新人獣医師が「練習させてください」と言われたら、どう感じますか。軽い症状なら許容範囲かもしれませんが、重症や難しい症例なら、ベテランのプロフェッショナルに診てもらいたいですよね。経営コンサルティングも同じです。誰でも繁盛する時代は、若手コンサルでも間に合いました。しかし、昨今の経営環境は複雑で、まさに「難症例」といえます。

また、経営コンサルティング業界でよくあるのが、「グループ勉強会」という手法です。開業したばかりのサロンも、地域でトップクラスの繁盛店も、ごちゃまぜにして、みんなで学びましょうというスタイル。コンサル会社にとっては効率的で、若手にも活躍の場が創造できますが、あなたのお店や病院の個別事情は置き去りにされがちです。開業3年目のサロンと、開業20年のベテラン店では、課題がまったく違います。にもかかわらず、同じ勉強会で同じ内容を学ぶのは、果たして経営者にとって効率的でしょうか。

理想のパートナーとは
では、どのようなパートナーを選ぶべきでしょうか。一般論として、以下の条件を満たすコンサルタントが理想的です。

(A)十分な経験年数がある

ペット関連業界を10年、20年と見続けてきた経験があれば、ペットブームの追い風の時代も、今のような厳しい時代も両方知っています。だからこそ、「今何が起きているのか」を大局的に判断できます。トリミングサロンも動物病院も、根底にある経営の本質は共通しています。ただし、ベテランが担当してくれればよいですが、チーム制と称して若手が担当する場合は、チーム制の中身に留意が必要です。動物病院のチーム医療に例えると、最終責任は院長が負うものの、スタッフが犯してしまうヒューマンエラーは撲滅が困難です。その飼い主様の心中たるや…。同様に、コンサルティングのチーム制にも限界があり、事業規模に比例して残念な対応(クレーム案件)が増加します。そのクライアントの心中たるや…。

(B)個別対応が得意である

あなたのお店や病院の立地、規模、スタッフ構成、経営者の年齢、得意分野、顧客層、すべてが他と違います。画一的な勉強会ではなく、あなたの事業だけのためのオーダーメイドの戦略を一緒に考えてくれる。そういう個別対応ができるかどうかが重要です。例えば、一般企業(異業種)ではマーケティングにシェア理論を活用します。これができないと、自社が取るべき戦略を決められません。シェアの低い会社が販促を打つと、それを見た消費者はシェアの高い会社に行くというのがセオリー(常識)だからです。
もしも特定のサービスを伸ばしたいと考えても、そのサービスが犬猫別に何パーセントのシェアを占めているのかが分からなければ、手の打ちようがありません。シェアが低いのに「〇〇の専門性をWEB広告でPRしましょう。ガイドライン的にはOKです!」というのでは、“下手な鉄砲撃つだけ損”です。広告会社の営業マンじゃあるまいし、経営コンサルタントたるもの、シェアでタイミングを見定めるのが鉄則です。昨今の経営環境では、似非(エセ)コンサルタントは退散すべきですね。

(C)異業種の知見がある

ペット関連業界だけに閉じていると、業界の常識が世間の非常識だったりします。他の業界の成功事例や失敗事例を知っていると、自分の事業にも応用できる視点が広がります。小売・サービス業など、異業種で学んだノウハウがペット業界で活きることは多いのです。昨今の経営環境では、アナロジーという類比の学問を使ってこそ、百選危うからずです。

(D)事業承継まで一気通貫で対応できる

とくに、近未来に事業承継を想定するのであれば、未来からの逆算が肝要です。「5年後に引退する」「10年後に譲渡する」と決めたら、今から何を準備し、どういう経営をしておくべきか。顧客層の分析、シェア分析、スタッフの育成、料金体系の整備、財務体質の改善等、すべてが事業承継の成功につながります。「あぁ、5年前にこれをやっておけばウン千万円高く売れたのに…」と後悔しないために、上記(1)〜(6)の対応策と事業承継を切り離して考えるのではなく、地に足の着いたマーケティング、実践的な管理会計、理に叶った財務会計などを、一気通貫で戦略として描けるコンサルタントとのご縁を持てるのが理想です。

(E)商圏保証をしてくれる

目先の売上欲しさに、商圏が被っているのに競合する店舗や病院から受注してしまう経営コンサルタントの話を耳にします。ノルマが大変なのかもしれませんが、クライアントに対する明らかな背任であり、機密情報がダダ洩れしかねず、道義的に許されないことです。一商圏一社主義を厳格にコミットしているコンサルティング会社を選ぶべきでしょう。

さて、このような条件を満たすコンサルタントは、実際にどれだけいるでしょうか。

ペット関連業界で20年以上のキャリアがあり、トリミングサロンも動物病院も両方を支援してきて、異業種の経営にも従事し、大局観を持ち、個別対応を重視し、一商圏一社主義で、事業承継まで一気通貫で対応できる。そういうコンサルタントを探すと、選択肢は限られてくるでしょう。

弊社は、その条件をすべて満たす1社であると自負しています。もちろん、これは自己紹介ではなく、消去法の結果です。

経営環境が厳しくなればなるほど、そして経営課題が「難症例」になればなるほど、ベテランのプロフェッショナルな経営コンサルタントに相談する意義が高まります。

春を前に、一度、試算表と向き合い、自店・自院の現状を客観的に診断してみてください。そして必要であれば、信頼できるパートナーとのご縁を大切にしながら、ピンチをチャンスと捉え、さらに進化していくことを心から応援しています。

あなたの会社が100年続きますように・・・
そして、
トリミング業界と動物病院業界がますます繁盛しますように・・・

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
株式会社フクノカミ Fukunokami Consulting Inc.
〜 中小企業が100年繁盛するために 〜
オフィシャルサイト https://fmcf.co.jp

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