「犬のジェントリングとハンドリング 保定の極意セミナー」
受講した感想と業界全体での取り掛かりの必要性
まずは全体的に感じた感想は、今の日本の子供教育問題と犬のしつけに関する問題点はとても似ているということです。つまり大切な時期に上手に叱れない日本人が多く、その風潮が家庭内や学校教育に影響し、まるで叱ることが罪のように教師が縛られているように思います。
犬のしつけ教育にも同じ風潮が浸透しており、そのまま老犬になっている子達をよく見かけます。人間と違い本来家庭犬には自立は必要ないので社会で揉まれる経験はなく、たまに訪れる動物病院やトリミングサロンで「噛み犬」という称号を与えられカルテに刻まれる・・・そしてスタッフ達には残念ながら嫌われる・・・よく見かけるのが口輪され奇声を発し暴れる柴犬の噛み犬などがそうなのでしょう。
【今回セミナーでのポイント】
●犬も人も安全確保の設備、道具 →アーム、口輪、首輪、タオルなど
●攻撃行動に対する叱りのタイミング →瞬間対応
●保定テクニック
→身体的に反発できない保定からの心理的に反発しないようになる保定
※攻撃行動に付随した嫌子出現→保定→攻撃停止→嫌子消失→反発意識の消去
犬の社会性は業界全体の問題・・・
攻撃行動を増やさない対策として飼い主側の心がけと、ブリーダーの幼少期社会性トレーニング、また譲渡に際し飼い主への選別と教育をお願いしたいところである。
また今からでも取り掛かれる子達も世の中にはたくさんいる。そのためには飼い主の理解とテクニックを学んだ施術者への信頼関係が重要である。つまり施術者が飼い主を導くテクニックがとても重要なのである。
<ブリーダーのやるべきこと>
●幼少期から人の手の感触やぬくもりを伝える
・いろんなところを遊びを通じていじりまわす
→定期的にブラッシングやシャンプー
→爪、耳、口の中、肛門、尻尾など末端まで触りまくる
*小さなストレスを当たり前にしてあげること
●飼い主への教育伝承
・柴犬クラスはバイクで言えば中型免許みたいなもの
→つまりそれなりのトレーニング意識がなければ飼育をお勧めはしない
*子犬販売するペットショップも同様
<飼い主のやるべきこと>
●遅くなればなるほど問題解決は難しくなるという意識
・年取れば心臓の負担も大きくなり、そしてより性格も頑固になる
→信頼する病院やサロンへ足を運び、飼い主と施術者が共に導く心掛け
→施術者もその子を一生関わってあげる覚悟で少しづつ問題を消去する
<施術者のやるべきこと>
●犬を見極める眼識とタイプ別テクニック
・病的なのか? →精神的異常であれば安易に手を出さない。専門職への相談
・我儘なだけなのか? →タイミングを逃さない瞬間で効果的な「保定」と「叱り」
・怖がっているのか? →嫌子を取り除き「安心」を与え「消去」につなげる
*暴力ではない保定からのマインドコントロール
- 「社会人」と「会社人」 (2014-11-19)
- 短期間でも築ける絆 (2014-10-17)
- ペルソナ 第二弾 (2014-09-08)
- ペルソナ 第一弾 (2014-09-01)
- 指標 (2014-08-18)
- 育成指導 3か条 (2014-06-15)
- “スマホ” アレルギー (2014-05-10)
- 今こそ価格UPのチャンス! (2014-05-06)
- 2極化の加速 (2014-04-22)
- 「耳毛抜き」 このままでいいの? 日本のグルーミング? (2014-03-31)