正直言って、犬の爪に対してここまで真剣に観察したことは一度もなかった。しかしこの仕組みを理解せず、ただ爪を切っているならば犬から文句も言われても当然のこと。すごく考えさせられた・・・
犬の爪をざっくり言えば、人間の爪が究極に巻かれた状態であること。つまり裏側などはささくれしやすく割れやすい構造は同じ。そして犬の爪は駆けるためのスパイクであるため、先端は固く鋭くなっていく。
猫の爪はおそらく、獲物を攻撃したり捕らえるための懐刀のようなものかもしれない・・・
つまり人、犬、猫などそれぞれの生き物での用途目的に違いはあれど、体から生える仕組みは同じであり、形状が違うだけなのである。
ここからが本題である。
僕らトリマー達はお客様や教え子に対し「爪が伸びると血管も伸びる。だから長くなった爪は血が出るくらいまで切るんだよ」って伝えてませんか?それは正しい知識なのでしょうか?
これもあえてざっくり言えば「爪の血管はある一定の位置以上は伸びない!」
人間で例えるならば、付け爪ではなくリアルな爪を伸ばした場合を想像してほしい。爪はどんどん伸びるだろうが、その下にある指(先端の骨のない肉の部分)はどこまで伸びるだろうか?世界一長い爪のギネス記録保持者(両手で6メートル)の女性でも爪の下の指はある程度までしか伸びない。つまり血管もその中までの長さである。
【中島の勝手かもしれない解釈】
爪から血が出るまで切る行為は、ただの乱暴な深爪である。そこまで切ってもまた一定の位置までは血管が伸びてくる。しかしそれ以上は伸びることはない。
→だから爪切りは血が出るまで切ることはしない!
また巻き爪と思えば乱暴な切り方では割れてしまうし、刺激や痛みも伴うだろう。だから切れない爪切りバサミでガツンみたいな切り方はご法度である。
→切れない爪切り刃は即交換!ガツンではなく、サクッと刺激少ないスライドカット!
※先日出会った仙台「leaf dog」の石井さんが熱く僕に語ってくれた。彼女の観察力はとても素晴らしい。もっと詳しい内容は彼女のブログを見て頂きたい。
http://leafdogday.blog26.fc2.com/blog-entry-704.html
その他にもたくさんの観察をされているので要注目です。石井さん、いろんな気付きをありがとう!(^^♪
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