こんにちは、ゲストさん
ログイン新規登録クライアントトリマー

ホーム  >  トリマー通信  >  トリミング  >  trim創刊50号記念セミナー「Live trim」に行って来ました。

trim創刊50号記念セミナー「Live trim」に行って来ました。

カテゴリ : 
トリミング
執筆 : 
staff 2017/8/25 17:50 閲覧 (13899)
2017年8月2日、trim創刊50号を記念して、トリマー向けのセミナーイベント【Live trim -Breakthrough- 】が開催されました。 (主催:株式会社インターズー  会場:KFC Hall & Rooms ) このイベントは「カット実演セミナー」、「獣医学セミナー」、「マネジメントセミナー」の3つテーマが、別々の部屋で同時に開催されるというスタイルに加え、各分野の第一線で活躍されている9名(各3名)の講師陣が講演されるというなんとも贅沢なイベントでした。今回はその様子をお伝えいたします。 ※会場が3会場に分かれていたので断片的な取材となっております。予めご了承ください。

カット実演セミナー(会場:3F)

まず最初に「中島かおる先生」、「浅野順平先生」、「神宮和晃先生」と世界を舞台に活躍する3人の人気講師による「カット実演セミナー」の会場を取材しました。まずはとても広い会場に驚きました。定員350名とありましたが凄いスケールです。

第1部:レスキューセミナー 救われるのはペットか人間か? 講師:中島かおる先生(KM DOG USA)

トップバッターは各国でセミナー講師や公認審査員を務められる、中島かおるさん(KM DOG USA)「レスキューセミナー救われるのはペットか人間か?」をテーマに講演されました。満席となった会場では、中島さんがプライベートで行われている保護犬の里親探しや、野犬のレスキュー動画を見ながらの解説をされていきます。 レスキュー動画の中では、アメリカで人を寄せ付けない野生化した犬を保護し、更生させるまでの過程を撮影したものが流されたのですが、セミナー当日はその野生化からすっかりかわいいペットと化した「銀太」が、サプライズゲストとして登場し会場は大いに盛り上がっていました。 犬に一度も噛まれた事がないという中島さんのお話では、咬み癖などの問題がある犬と上手く接する事が出来るのは、何か特別な能力を持っているわけではないそうです。 講演では犬に咬まれないための具体的な接し方や道具の使い方をぬいぐるみを使って解説されました。 参加者は、本場アメリカの技術や体験談に耳を傾けながら、ノートにメモをとるなど熱心に受講していました。

第2部:ペットトリマーが知っておきたいテリアの基礎 講師:浅野順平先生(TeRRIeRge)

2人目の講師は、国内外のドッグショーで数多くの賞を獲得されている浅野順平先生(TeRRIeRge)「ペットトリマーが知っておきたいテリアの基礎」をテーマに実演、解説が行われました。 トリミングナイフの選び方や使い方のポイントを解説しながら、実演ではナイフだけでモデル犬をカットしていきます。 この時期だと、アンダーコートを抜く際にもトリミングナイフは有効というお話でした。レイキング時には、ナイフを立てて使うと皮膚への接触面積が大きくなり、負担が増えるので寝かせて使うと良いそうです。 耳の毛を抜く時のコツは、左手の人差し指を耳の中に入れ親指ではさみ、画像のように持つと毛先が飛び出してくるので、その毛を抜くと簡単に耳の毛の処理できるそうです。

第3部:どんな毛質・毛量にも対応できるプードルのトリミングテクニック 講師:神宮和晃先生(Dog Salon Salt & Pepper)

3人目の講師は、JKCトリミング競技会で3度の理事長賞を受賞し世界の競技会でも数々の賞を獲得されている、神宮和晃先生(Dog Salon Salt & Pepper) trim 6月号でも特集された「どんな毛質・毛量にも対応できる プードルのトリミングテクニック」をこのセミナーでさらに詳しく解説されました。 体高と体長のバランスをスクエアにするために、底辺である足元からカットを始めて徐々にスクエアの形を構築していきます。 ロングネックに見せるために背中の毛をカット、この子の場合は、お尻側から体長の三分の一くらいの位置までカットしています。 フロント部分のカットでは、胸の頂点を座骨結節と同じ高さかそれより少し低い位置に決め、出来るだけ短くカットすると体長が短く見えるそうです。

獣医学セミナー(会場:10F・Room101)

第1部:犬のフードと栄養学 -トリマーが知っておくべき正しい知識 - 講師:徳本一義先生(ヘリックス)

「犬と猫の違いから栄養学を考える」と題して、それぞれの動物の歴史から必要な栄養素を紐解き、栄養素の機能や取得方法などのお話が中心でした。 とくに妊娠・授乳期の栄養素については人、犬、猫では全然違うため、専用のフードを使うことがいかに大事か考えさせられました。 犬の母乳が栄養豊富で多量かを解説されたうえで、一般的には出産すると仔犬の栄養面に目が行きがちですが、プロは母犬の栄養を支える必要がある、それが結果的に仔犬を支える事になるのだそうです。 「トリマーによる栄養指導」という題目では、「ペットフード安全法」やペットフードの製造・表示についての基準を解説されました。 トリマーもペットフードを販売するケースがあると思いますが、そんな場合でも知識なく簡単に販売しては危険な場合があるようで、販売責任を問われないように、トリマーであってもきちんとペットフード関連の法律を学び、自分の身を守る必要があるというお話でした。 例えば、犬用のジャーキーを猫に与える場合のリスクだったり、既製品をリパックして販売する危険性や、最近トレンドの「ミートファースト」や「グレインフリー」といった言葉の意味や真相など。

第2部:犬のアレルギー・アトピ - 内側からのケアと外側からのケア - 講師:江角真梨子先生(Vet Dream Tokyo)

つづいては獣医皮膚科・耳科を専門とする獣医師チーム「Vet Derm Tokyo」に所属されている江角先生のプログラムです。 トリマーがよく遭遇する病気として、アレルギーやアトピーがあると思いますが、それらの病気について知っておきたい基礎知識やケアのやり方についての講演でした。 治療に使用するお薬やスキンケアの解説では、「犬が痒がっていたらこの薬用シャンプー」みたいに、トリマーの思い込みで薬用シャンプーを選択して、使用してしまう事ってありませんか?でも症状によってきちんと使い分けることが重要と江角先生。 例えばアトピー性皮膚炎の子には、セラミド関連物質を配合したシャンプーや保湿剤を使用すると効果があるそうですが、これも合う合わないがあるので、ずっと使用し続けるのはNG。 またスキンケアはシャンプーだけでなく普段の食事やサプリメントを使用し内側からケアすることも重要なのだそうです。

第3部:犬の行動学 - 犬の気持ちが理解できるトリマーになる - 講師:荒田明香先生(東京大学付属動物病院医療センター)

動物病院などで動物の問題行動の治療を行っている荒田先生の講演では、犬のボディランゲージと、行動の仕組みを理解するための学習理論やトリミング中のストレス軽減方法について解説されました。 トリミングをするにあたって、犬のボディランゲージから得られる情報は非常に重要だですし、トリミングにおけるストレスをいかに軽減できるかはトリマーのスキルとしてぜひとも習得しておきた技術ですよね、 荒田明香先生のプログラムでは、「犬の気持ちが理解できるトリマーになる」と題して、犬の行動の仕組みを理解するための学習理論についてわかりやすく解説されました。

マネジメントセミナー(会場:10F・Room103)

第1部:新規開拓のためのマーケティング入門 講師:藤野洋(ペットビレッジ)

マネジメントセミナーの第一部はペットビレッジの藤野先生による「新規開拓のためのマーケティング入門」です。 新規顧客の重要性からマーケティング戦略、プロモーションについての解説でした。 「彼を知り己を知れば百戦あやうからず」というマーケティングではよく耳にするこの言葉をキーワードに、「彼=ペット市場や競合店」を把握し、「己=自分、自店」を把握することを重視したお話が続きます。 色々なマーケティング手法を使い、時には地道とも思える調査(潜入調査や情報収集)から、STPやSWOTなどの分析手法を用いて、現在の状況を把握し企画計画を立てるというお話が続きます。 経営のセミナーとなると難しそうな印象ですが、藤野先生の場合は、ペットサロンがベースになっていることや、実際に運営されてきた経験に基づいたリアルな内容ばかりなので、非常にわかりやすい解説をされていました。

第2部:リピーターを増やすための接客テクニック  講師:高木美樹(TALL TREE)

スピードトリミングでおなじみ高木講師のプログラムです。技術的な部分が注目されがちですが「毎月400頭以上を集客している」という点においては、あまり語られていないような気がしていました。(この数字を3人とかで対応している話は有名ですね。高木さんのお店のロケーションを考えると毎月400頭以上は本当に凄いです。) 今回は、そんな高木講師が実践しているリピーター続出の接客方法を、成功例や失敗例を交えて解説するという内容です。 さすが人気の講師とあって、会場は立ち見がでるほどでした。取材に訪れたときは「店づくり」の話をされていました。 「お店の印象は3秒で決まる」ということで、例えばお店の臭いだったり挨拶だったりと基本的なことから、 ・過去に獲得した賞状は店内に飾る ・化粧はバッチリメイクにする事 ・化粧だけでなくネイルもしましょう といったものまで・・。すべて理由があって高木さんらしいお話は面白かったですね。 接客や電話対応術、ブログの運営、DMの出し方、カウンセリングのテクニックなどなど、滞在時間は数十分のでしたが、「ここまで話して大丈夫なの?」と心配になるほど沢山のテクニックを紹介されていました。

第3部:店舗運営を安定化する これからのスタッフ教育 講師:吉田大祐(ファニーテール)

マネジメントセミナーの第3部はファニーテールの吉田講師による「店舗運営を安定化する これからのスタッフ教育」です。 「これからの若いスタッフをどう教育していけば、スキルアップをしながら辞めずに店舗運営を安定化できるか」という経営者さんの悩みを解決するためのメソッドを、実際にお店を経営されている吉田講師の経験を元に解説されました。 講演では「今の子はスマホがあるから容易に辞められる」「3年経ったらだいたい辞める」などストレートな意見が連発するので、冒頭から吉田講師に釘付けになりました。 主催者から配られたプロフィールには「本音でしゃべるトークが人気を博し・・」とありましたが、なるほど納得です。 講演の内容は、「近年の就労者の仕事の考え方」から解説。ニュースでも話題になっていましたが給与よりも福利厚生が重視されつつあるなど職業観に変化がみられるという内容ですね。 それを理解したうえで、店舗経営を安定化させるために、「労働基準法」の厳守や「社会保険、厚生年金」にしっかり対応してスタッフが安心して働ける環境を築く大切さを解説されていました。 別の会場ではトリミング用品の販売スペースも設置されていました。今回講演された講師の方々が使用しているモデルも販売されていたので 講演後には同じ物を購入しようと行列ができる光景も見られ、大変な賑わいを見せていました。 豪華講師陣を招いて行われた今回のセミナーは「カット実演」、「マネジメント」、「獣医学」の3つのセミナーが同時に開催されるという画期的なイベントでした。 各会場を自由に行き来できるとはいえ、参加された方はどの講師のセミナーを受講するか迷われた方もいたのではないでしょうか? すべてのセミナーに顔を出した者の感想では、すべての先生の話がそれぞれ興味深く、そして勉強になるので 一度座って受講を開始すると、なかなか立てなくなりますね(汗)
Facebookでシェア   twitterでツイート   LINEで友だちに教える
最新のエントリ
トリマー通信のトップへ




PR
カテゴリ一覧
アーカイブ
PR:ブログ新着
求人PR
サイト内検索

Copyright © 2002-2021 Trimmer.jp All Rights Reserved.