「trim」が2017年4月号(Vol.49)よりリニューアルしました。そのリニューアル企画の第一弾として、日本最大のペットイベント「interpets」とコラボしたセミナーが開催されました。
3月30日(木)、31日(金)の2日間連続で開催された同セミナーは、いずれも個性豊かな講師6名による、モデル犬を使用しての実演セミナーという事で開催前から大変注目されていたイベントです。
当日は広い会場内の多くのブース取材や別のイベントなどと時間が重なったため、本当に一部分だけの取材となりましたがレポートしますね!
会場はinterpetsが開催されている東京ビッグサイト・東ホール3内の別室。
両日とも定員が100名ということでしたが、画像の通りほぼ満席です。
大きな会場だとよく見かけるモニターも複数台設置されていており、カットの細部まで非常に見やすかった印象です。とくに今回はカメラマンの撮影技術が高かったそうで、ある講師によると伝えたい箇所やカットラインなどをいい感じで映し出してくれていたそうです。私自身、色々なセミナーを取材していますが、講師の先生がカメラマンをほめていらっしゃるのは初めてでした(笑)
<講師陣の紹介>
1日目の講師
・小島麻里(soup*spoon)
・神宮和晃(Dog Salon Salt&Pepper)
・生井沢里美(チロのアトリエ
2日目の講師
・髙木美樹(TALL TREE.)
・佐々木啓子(Figoo)
・菊池亮(GALLERY ARTESTA)
これは豪華な講師陣です。
人気の先生方を完全にカバーしている感じはさすが trimさんリニューアル記念セミナーですね。単独でも一日セミナー開催できるほどのすごい講師陣です。
1日目
トイ・プードルの「soup*spoon」スタイル
講師:小島麻里(soup*spoon)
プログラム1本目は 都内人気のエリア「下北沢」や昨年移転オープンした「川崎」にある 人気サロン soup*spoon の小島さんによる『トイ・プードルの『soup*spoon』スタイル」です。
セミナー当日に初めて会うモデル犬に対して、小島さんがそのコに似合う「soup*spoon」流のスタイルにカットしていくというプログラムでしたが、撮影で訪れた時はトップノットをねじってゴムで仮止めを行うという作業をされていました。初日の1本目ということで会場は固い空気かな・・・と思いましたが、小島さんの分かりやすい解説と軽快なシザーさばきに皆さん魅了されている感じでした。
そのコに合わせミニチュア・シュナウザーのペットクリップ
講師:神宮和晃(Dog Salon Salt&Pepper)
プログラム2本目は、2017年2月にアメリカで開催された「グルーム・エキスポ・ウエスト」にてMプードルとシュナウザーで1席を取るなど世界で活躍されている神宮さん登場です。
シュナのスタンダードを熟知する神宮さんが、毛質や体形、顔のチークの張り方やマズルの長さなどに合わせたペットクリップの仕方をレクチャーしていきます。この時はシュナのイマジナリーラインやアンダーラインの作り方、胸深の話、ネックの作り方などを解説されていました。“ ペットクリップ ”とはいえ、神宮さんの場合は犬種スタンダードに沿ったお話になるのですが、学校で先生をやっていらっしゃるのもあって、難しいスタンダードの話もとても分かりやすく解説されていました。
シー・ズーの毛玉にならないロングコートアレンジ
講師:生井沢里美(チロのアトリエ)
初日、最後の登場は生井沢さん。
バリカンでデザインしていく「バリアート」やカラーリングなど、比較的クリエイティブなスタイルを得意とされているイメージの生井沢さんですが、trim誌では以前「シーズーの顔の作り方」の特集を持っていたり、実際にシーズーをモデルとしたセミナーの講師を務められていたりと、シーズーカットのエキスパートでもあります。
そんな生井沢さんの今回のセミナーも・・ずばりシーズーでした。「シーズー犬をロングにしたいけど毛玉になるから…」というお客様に提案したい「毛玉にならないロング」をテーマに講演されました。
撮影の時は、シーズーの目の前やアゴ下の形の作り方、顔カットする際の失敗しないコームやハサミの入れ方などを解説されていました。
2日目
クリッパーで仕上げるトイ・プードルのペットクリップ
講師:髙木美樹(TALL TREE.)
2日目です。1本目は、スピードトリミングでおなじみ髙木さんです。trimを出版されている株式会社インターズーさんから「はじめよう!スピード トリミング」なんて本も出ていますよね。
今回はクリッパーを得意とする髙木さんが、「スジがついてしまう」、「アタッチメントが入らない」などの失敗しがちな例の解決法や、毛の質や状態による刃の使い分けをレクチャーしながら、ほぼクリッパーで1頭仕上げる・・という内容のセミナーでした。
道具に関しての探求心が強い髙木さんですが、とくにご自身が提唱されているスピードトリミングに欠かせない「クリッパー」の話はとても深いお話が多く勉強になります。この時は、日本では未発売のクリッピングコームや、クリッパーの選び方、タイトル通りクリッパーでプードルを仕上げていく実演などがありましたが、スピードトリミングにはアタッチメントコームを使うとここまでできるのか・・という感じのテクニックが満載のセミナーでした。
オールシザーで仕上げるトイ・プードルのペットクリップ
講師:佐々木啓子(Figoo)
続いての登場は、Figooの佐々木さん。先ほどの髙木さんとは対照的に「オールシザー」でプードルのペットクリップを仕上げるというタイトルで、シザーを使ってちょっと長めでやさしい丸みがかったスタイルを実演するという内容でした。
佐々木さんの代表作である“おぱんつカット”を例にカットのテクニックを披露されていました。
佐々木さんと言えば、「トリミング時の姿勢」についても独自のスタイルを確立されていることでも有名ですよね。
この日も会場のトリマーさんにレクチャーされていました。
簡単そうに見えて、意外と難しい佐々木さんの動きに、トリマーさんも苦戦されているようでしたが、マスターするとトリミング中の負担が減って疲れにくく、また腰痛などにもなりにくいのだそうです。
ヨークシャー・テリアのタイプ別スタイルアップ
講師:菊池亮(GALLERY ARTESTA)
今回のセミナーのトリを飾るのはギャラリーアルテスタの菊池さんです。相変わらずテレビに雑誌に大忙しの菊池さん。この日もオーストラリアでのセミナー巡業から帰国されたばかりだったそうです(汗
今回は、菊池さんが最も得意とするヨーキーのヘアアレンジです。タイプの違うモデル犬3頭に対して、それぞれの個性に合ったスタイルを、顔のカットを中心に実演されました。
撮影の時はヨーキーの顔をつくっている最中でしたが、トリマーのテクニックと違い、美容師らしいシザーテクニックなども紹介されていまいた。
6月にもtrimさんがトリマー向けの大きなセミナーを開催されるようです。しかも2本!こちらも見逃せませんね!
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