「某テーマパーク内にトリミングをやっているお店があるらしい・・」
その噂を聞いて以来、ずっとそのお店が気になっていました。
「そもそも、テーマパーク内にあるペットサロン??どんなお客さんが来るのだろうか??」
そんな疑問が真っ先に浮かびました。チャンスがあったら一度訪ねてみたいな~と思っていたところ、今回そのチャンスが到来!という訳で、さっそく取材してきました。そのお店の場所は….長崎県!!
長崎のテーマパークと言えば、そう・・ハウステンボスです!
※読者の方でハウステンボスへ遊びにいく機会があれば何かの役に立つかも・・ということで、今回は旅ログ風にレポートしていきます。
まずは、長崎へ行くまでの話ですが、新幹線で博多まで行って、そこからローカル線で・・・というルートもありますが、関東からだと飛行機を使います。羽田空港から長崎空港までのフライト時間はおよそ1時間50分です。
長崎空港に着きました。ここからハウステンボスへ向かいます。
電車を使う方法もありますが、最寄り駅まで距離があるので、普通はバス(片道1,250円)か、もしくは高速船(片道1,960円)を使います。非日常を味わうなら・・そりゃ船でしょう!ということで、高速船乗り場へ向かいます。
さすが長崎空港。当たり前のように「ちゃんぽん屋」があります。今回は船の時間があるので乗り場へ急ぎます。
今回利用する高速船です。ハウステンボスまでの所要時間はおよそ50分。(バスを使っても同じぐらいの時間らしい。)
湾内の航路なので、波は穏やかな場合が多いようです。
異国情緒あふれるハウステンボスのマリーナに到着です。ハウステンボスはオランダの街並みを再現しているのが特徴です。ヨットハーバーになっているようですね
ハウステンボスに入国しました。今回訪問させていただくお店のトリマーである田中さんが看板犬の「ちっちゃい君」とお出迎えしてくれました。この写真はなかなか絵になります。
目的のお店はマリーナとは反対のウェルカムゲートという位置にあるそうなので、ハウステンボスの中を散策しながら移動することにしました。園内は東京ディズニーランドとディズニーシーを合わせたぐらいの敷地面積なのでゲート間の移動も大変です!
ハウステンボスのシンボルタワー「ドムトールン」です。
アジサイが綺麗に咲き誇っていました。アジサイは日本原産の花ですが、長崎から世界に広まったそうです。
この時期はバラ祭りが開催中でした。ハウステンボスはアトラクションもたくさんありますが、花のテーマパークでもあります。広大な園内には年間を通して様々な花が植えられ、訪れる人の目を楽しませてくれます。
開園以来、限定的にしか許されていなかったペット同伴が2010年に全面解禁になり、ペットフレンドリーなテーマパークになったハウステンボス。園内にはペット同伴可能なレストランが立ち並び、いたるところにリードフックや水飲み場が用意されています。
運河のそばを歩いていると、ハウステンボス直営のドッグランを発見!ここは無料で利用できるそうです。(ペットの園内入場料は別途必要です)
小型犬エリアと中大型犬エリアに分かれています。
「オランダ!」という感じの水車が見えてきました。この先に今回の目的のお店があります。
ウェルカムゲートが見えてきたと思ったら、すぐそばに今回取材させてもらうDOGBOXさんがありました。ハウステンボスの風景に溶け込むようにオランダをイメージしたレンガ造りのおしゃれなお店です。ハウステンボスは有料エリアと無料エリアに分かれていますが、こちらのお店は無料エリアに位置します。
まず目に留まったのは店外に並んだ大量のペット用カート!ここでカートをレンタルして園内を散策するのが愛犬家のスタイルになっているそうです。敷地が広大なので歩き回るときに便利なのと、お土産などが多くなった場合に色々と重宝するそうです。テーマパークに隣接したお店らしいサービスですね。
先ほどのDOGRUNとは別に全天候型のDOGRUNもありました。
このお店はカフェも併設されています。
ソフトドリンクや食事、スイーツも味わえるようです。
この方がDOGBOXのオーナー高柳さん。この写真ではどうみてもカフェのマスターにしか見えませんね…。元自衛官という経歴をお持ちですが、トリマースクールを卒業されている現役のトリマーでもあります。犬好きがこうじて長崎市内に1号店をオープン。現在はハウステンボス店を含めて3店舗とトリマーのスクールを運営されています。
オーナーの高柳さん、カフェラテアートが得意ということでさっそく作ってもらいました。お店のロゴマークとオランダの象徴である風車をあしらった作品。完成度高っ!飲むのがもったいないですね。
店内はペット用のグッズが並んでいました。テーマパーク内のショップらしい品揃え。日用品というよりはお土産としての需要が高そうな製品が充実していた印象です。
店内にひときわ黄色く目立つ商品を発見!よく見ると「わんこかすてら」と書いてあります。そうです!長崎のお土産と言えばカステラなのです!この「わんこかすてら」は犬専用に研究開発されたオリジナル商品で、DOGBOXハウステンボス店だけで限定販売(2016年6月現在)されています。ひと月に2000個以上売れる人気商品らしいです!
色々質問していると、ハウステンボス店ならではのお話しを聞くことができました。
まずこのお店を訪れるお客様の9割が「ペットホテル」か「一時預かり」のみを利用されること。そのほとんどが新規のお客様だそうです。ハウステンボスにはペット同伴の専用宿泊施設や、一部ペット同伴可能なホテルもあるそうですが、基本的に周辺のリゾートホテルはペット不可になっています。また園内のアトラクションやエリアによっては、ペットを連れて入ることができない場合もあります。そんな時にどうしても預けたい飼い主さんのニーズがあり、その結果ホテル業務に集中しているのだそうです。
トリミングに関しては、ホテル業務ほどの需要は無いそうですが、ハウステンボス内には「ワッセナー」と呼ばれるオランダの高級住宅地をモチーフにした分譲住宅地があり、そこに定住されている飼い主さんや、ハウステンボスの隣がアメリカ軍佐世保基地の居住地になっていて、そちらの飼い主さん達がトリミングサービスを利用されるそうです。もちろん地元のご近所さんも来店されるそうです。
物販やカフェに関しては、平日は観光目的の外国人や修学旅行生、土日は日本人。
花が盛んな春はシニア層、水を使ったアトラクションが盛んな夏は子供連れ、イルミネーションがきれいな冬はカップルが集中するそうです。
時期や時間帯によってお客さんのタイプがまったく異なるのは面白いですよね。思っていた以上に外国の方の利用も多くて、異文化交流が盛んな長崎らしさを感じました。
冒頭に述べた「そもそも、テーマパーク内にあるペットサロンにはどのようなお客さんが来るのだろうか??」という疑問の答え・・これは、ハウステンボスのロケーションとテーマパークという特性が見事に反映されているものでした。
高柳さん、スタッフの皆さん、ありがとうございました。
<求人のお知らせ>
現在ハウステンボス店ではトリマーを募集しているそうです。お店から徒歩圏内に社員寮があって、遠方から住み込みで働きに来る事が可能なのだそうです。これはなかなかレアな案件です。
先にも書いたようにホテル業務が9割なので、トリミング業務は少ないようですが、普通のサロンでは味わえない体験ができそうな職場であることは間違いなさそうです。求人詳細
DOGBOXさんが運営するトリミングスクールに関しては、スピードトリミングの高木美樹さんを講師としてお招きするなど、長崎にいながら最先端の技術を学べる素晴らしい環境のようです。後日、高木さんにお会いしたので話を聞いてみたら「学校も生徒もみんな熱心ですごく良い学校ですよ。ただウチ(滋賀)から新幹線で行ったら6時間ぐらいかかりました~まぁアメリカに比べたら近いですけどね~」と一言(汗)
あとがき
帰りは電車を使いました。写真はハウステンボス駅のあるJR大村線の車内から撮影。長崎県出身の福山雅治の歌「道標」にこんな歌詞があります。
♪わたしはこの海が好きです この弓形に続く線路の
あなたが生まれ育った海にくると後悔が軽くなる気がして・・
この歌詞にでてくる風景がまさにこれです!