3月5日 高崎動物専門学校にて、一般社団法人 日本動物専門学校協会(以下、NAVA)主催「ペットスタイリスト特別セミナー ~世界No.1の技術を見てみよう!~」が開催されました。
このセミナーは、NAVAの目指す「ペットスタイリスト」の正しい理解と加盟校への普及を目的として、世界No.1のペットスタイリストをお招きして本物のスキルを学ぶ“指導者向け”のセミナーです。NAVAの加盟校より教職員・学生150名が受講しました。
※昨年の様子
講師は、アメリカから来日されたPina(写真左)さん。
2010年ドイツで開催されたペットスタイリスト世界大会にGroom Team USAのメンバーとして出場。最高賞である金賞を受賞した世界No.1ペットスタイリストです。
通訳・解説と“世界におけるペットスタイリストの最新事情”のお話を中島かおるさん(写真右)が担当します。
日本には“Groom Team JAPAN (=日本代表)という制度が無いので世界大会と言われても想像つきにくいのですが、要するにグルーミングのオリンピックです。現在では2年に1回開催され、世界14か国が参加しています。※今年の9月にバルセロナで開催される予定です。
今回はそのコンテストルールに沿って、スタンダードプードルを2時間15分で仕上げていきます。モデル犬は高崎動物専門学校のアイドル“王子くん”です。
スタイルは日本ではあまり馴染みがありませんが、国際的なコンテストではポピュラーな“ジャーマンクリップ”です。
カット前の様子。結構モコモコ状態です。顔や足先はコンテストルールにもよりますが今回は剃った状態からスタートです。
まずはクリッピングから。ジャーマンクリップの特徴でもある“耳剃り”このクリップを始めて見る人は「えぇ!耳剃るの!?」となりますね。
次に体のクリッピング。クリッピング箇所は背線から腹部まで胴周りのコート、ネック周りはVラインと前胸辺りだけでした。足の付け根から上はほとんどノータッチ。
クリッピングが終わったらシザーリングです。海外らしいロングシザーでザクザク粗刈りしていきます。
かなり毛が伸びていたので5cm(場所によっては10cm)ぐらいはカットしていたと思います。
前胸のカット。先ほど短くクリッピングしたラインにつなげていきます。
後肢のカット。ジャーマンクリップはテールのポンポンを作らないので短くなっています。
前肢のカット。あえてカーブシザーの裏面を使うそうです。
タックアップのカット。全体的な形もでてきました。
よく見ると、日本でブームになっている「ブレンダー」ですね。
イマジナリーライン
最後に頭部から背線のラインを仕上げ
フィニッシュ!2時間の予定でしたが90分で仕上がってしまいました。このスピードには会場もビックリ!
最後に記念撮影
左から野口理事長(高崎動物専門学校)、ピナさん、中島かおるさん、佐山理事長(日本動物専門学校協会)
今回はピナさんの実演の他に、中島かおるさんによる「犬に噛まれないグルーマーのマル秘映像」や「アメリカで使用されているグルーミングツール」の解説などがありました。
グルーマーになって数十年。まだ一度も犬に噛まれたことがない中島かおるさん。なぜ犬に噛まれないのか?その秘訣を動画を交えて伝授!
グルーミング先進国アメリカならではの最新ツールの紹介。学生さん達も興味津々でした。
NAVAトリマーライセンスや以前開催されたトリミングコンテストも“ペットスタイリスト育成”の方向で動かれているそうです。いつの日かNAVAの学生が世界大会出場を果たす日が来るかもしれませんね!