ペットコラム:飼い主様のご自宅でのお悩みは今...
2013年08月28日 パイプ名 : JP PET NEWS
今回は、インターペット(2013/8/22~25)において飼い主様のお悩み相談をしていた大川獣医師(パラソルヘルスケア)に、お時間を頂き飼い主様の現場でのお悩みについて質問してみました。JPR記者(以下JPR):今、飼い主様が自宅で悩んでいることとしてはどのようなものがありますか?パラソルヘルスケア大川獣医師(以下大川):最もお悩み相談として多い項目は、関節のトラブル・フードの選び方・皮膚の問題・熱中症の問題ですかね。JPR:特に4つの点が多いのですね。ファッションなどの出展者様が多いように見受けられますが、そのような質問は特になかったですか?大川:獣医師ですから、健康相談が中心でしたね。皮膚のトラブルの中で、服の相談などもありましたが、このとおりいつも白衣なので、洋服選びのセンスはイマイチです(笑)。本当に困ったときにどうするのか。サロンのトリマーさんがどのようなことをどのようなときに悩んでいるのか。そのようなご質問を多くお受けしました。JPR:それでは、このような質問が多かった理由として、大川獣医師はどのようにお考えですか。大川:関節のトラブルは痛み等で症状が分かりやすいですし、動物病院等で関節疾患が診断されていても、膝蓋骨脱臼などの症状が出ていない場合、動物病院によっては様子をみる方針のところもあるので、何かお家でもしてあげたいと思っている飼い主様が多いのではないでしょうか。それに、現在のペットの50%以上は7歳以上のシニア犬ですからね。また、フードの問題はこれだけフードメーカーさんが出展していることからもわかりますが、種類が多すぎますね。一般のペットフードを飼い主様が選ぶ際にこれだけ選択肢があったらさすがに迷ってしまいますよ。自分たち獣医師でも覚えきれませんから。それと、フードの問題からは皮膚のお悩みへと相談が進んでいくパターンが多いですね。やはりアレルギー関係の悩みをもたれている飼い主様が多いことは間違いないようです。そして、皮膚のトラブルは体の表面に症状が出てきますので、飼い主様がみて気が付くことや、ケアをしやすいと思われている、ということが大きいのではないでしょうか。しかも、痒がっていたり赤みが出てかわいそうという飼い主様のメンタルに訴える症状が出てしまうことや慢性化をして症状が長く続くことも原因のひとつですね。また、熱中症については時期的なこともありますね。最近の熱中症の事故等のニュースが近年増えていることも関係していると思います。JPR:それでは関節トラブルについてですが、関節トラブルというのは痛みを伴うこと多い気がしますが、具体的にどのようなものが原因になっているのでしょうか?大川:関節の痛みの原因には、膝蓋骨亜脱臼(パテラ)・加齢性関節炎・股関節亜脱臼・椎間板ヘルニアなどがあります。痛みによって、散歩に行きたくなくなる、階段の昇り降りがつらくなるなどの症状が出てくることがあります。手術が必要な場合も多いです。しかし、手術をしても付随する痛みは起こりやすい状況にあります。それは、体内のグルコサミンやコンドロイチンの量が減少し、関節のクッションである関節軟骨や関節液が、役割を果たさなくなるため、関節軟骨同士の衝突などにより関節の中に痛みを発生させてしまうからです。JPR:関節の痛みの原因は関節の環境の変化、つまり、体内の関節の栄養分の不足によるものも大きいのですね。では、関節の環境を整えることはできるのでしょうか?大川:おっしゃる通りです。関節内の関節軟骨の性状の変化や、関節液の減少によって関節の痛みが出てきてしまうことも多いです。関節の環境を整える対策として、クッションである関節液や関節軟骨を正常にするために、グルコサミンやコンドロイチンを補給することをお薦めます。しかし、これらだけでは炎症は治まらず、痛みは継続してしまいます。この痛みをコントロールすることも関節ケアには非常に重要になります。JPR:関節ケアをする際には栄養分であるグルコサミンやコンドロイチンを与えれば十分だと思っていたので、痛みをケアするということは目からうろこでした。痛みをコントロールするにはどのようなものが必要になるのでしょうか?大川:もちろんその通りで、品質の良いグルコサミンやコンドロイチンを適切量与えることも関節の環境を整えるには必要だと思います。ただ、あくまで個人の意見ですが、現在、お店で販売されている関節サプリの中には本当にこれで効果はあるの?と疑問に思ってしまう製品も多々あります。私は関節痛をコントロールするために最近注目されてきているMSM(メチルスルフォニルメタン)という成分も有用ではないかと思っています。JPR:MSM(メチルスルフォニルメタン)ですか。詳しくお聞きしたいのですが、どんどんマニアックな話になってしまいそうなのでまたの機会にお願い致します(笑)パラソル大川獣医師(笑)そうですね。記者次に皮膚のトラブルについてですが・・・この後も取材はまだまだ続きましたので、その様子は次回に掲載していきたいと思います。今回取材に協力していただいた、大川獣医師は、『予防医療としてのホームケア』の現状を改善することを目的としている株式会社ペティエンスメディカルのパラソルヘルスケアの獣医師で、正しい獣医学知識と最新の情報を、ペットと直接関わるご家族やペットプロ(トリマー・グルーマー・ペットショップスタッフ)の方々にセミナーなどを通じて提供しています。■株式会社ペティエンスメディカルパラソルヘルスケアについての詳細はこちらhttp://www.para-sol.jp/TEL042-860-6978FAX042-860-7463
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