ペットオーナーの97.3%が、ペットフードはペット...
2016年09月13日 パイプ名 : JP PET NEWS
---以下リリース内容2016年9月20日に「ペットフードの日」が制定されてから満3年を迎えるにあたり、マーケティングリサーチ会社のシタシオンジャパン(所在地:東京都中央区、代表取締役会長兼社長:小出紘道)は、「ペットの健康管理とフードの安心・安全に関する意識調査」を実施しました。本レポートは、東京大学大学院農学生命科学研究科日下部守昭特任教授による監修の下、全国1,236名の犬・猫オーナー(「20代」~「70代以上」の各年代206名ずつ)を対象にしたオンライン調査結果をまとめたものです。https://dl.nxlk.jp/4f041cb3-88df-41ce-9a8b-354833f868b7■ペットの高齢期は「10歳から」との回答が多数。高齢の基準となる年齢について、ペットオーナーの半数以上が誤った認識を持っている。日本の人口減少と高齢化が進む中、犬・猫の飼育頭数は年々減少していますが、獣医療の進歩やフードの高品質化などによりペットの寿命が伸び、ペットの高齢化が進んでいると言われています。一般社団法人ペットフード協会の調査(2015年)※によれば、ペット(犬・猫)の寿命は2011年と比較すると犬は1.0歳、猫は1.4歳伸びています。今回の調査からも、犬のオーナーの60.8%、猫のオーナーの55.0%(どちらも多頭飼いの数字も含む)が高齢期(7歳以上)のペットを飼っていることが確認されました。犬・猫は何歳から高齢期に入る(入った)と思っているか聞いたところ、「10歳から」と答えたペットオーナーが28.3%と最も多く、一般的に言われる6~8歳を高齢期に入る基準年齢とした場合、ペットオーナーの52.7%が、ペットの高齢期の基準年齢について誤った認識を持っていることがわかりました。※出典:一般社団法人ペットフード協会平成27年全国犬・猫飼育実態調査結果■ペットの加齢や体型変化に合わせ、多くのペットオーナーがペットフードの種類や量を変化させていると回答。ペットオーナーの94.3%が、ペットの加齢に応じて与えるペットフードの種類を変える必要があると回答しています。実際に、ペットの年齢に合わせて変えていることとして「与えるペットフードの種類」(70.5%)のスコアが最も高く、次いで「与えるペットフードの量」(55.5%)との結果が出ています。しかしながら、ペットのライフステージによって必要な栄養が異なることを、46.3%のペットオーナーが「知らない」と回答しています。また、ペットの肥満防止など体型管理への意識も高まっており、85.0%のペットオーナーがペットの体型変化を日頃から気にかけています。ペットの肥満・痩せ対策としては「ペットフードの量の見直し」(56.1%)が最も多く、「ペットフードの種類の見直し」(32.4%)、「おやつの量の見直し」(28.5%)と続く結果となりました。ペットの加齢や体型変化への対策として、多くのペットオーナーがペットフードを重視している様子がうかがえます。これらの結果を受け、今回の調査結果の監修を担当している東京大学大学院農学生命科学研究科の日下部先生は次のようにコメントしています。「飼い主さんにとって家族の一員であるペットが健康で長生きするためには、飼い主さんが日ごろからペットの年齢に合った健康管理の意識を持つことが重要です。例えば、年齢に合わせた毎日の食事量や食欲、生活環境における精神的ストレスがペットの健康にどのような影響を与えているのかをよく観察して正しく理解して対処してあげることが大切です。そのため飼い主さんは、健康管理の正しい方法を身に付けることが求められます。飼い主さんが日常から簡単にできることとしては、定期的な体重測定や被毛、眼、耳、鼻や歯の状態の視認チェックなどがあります。最近では、スマートフォンで手軽に動画を撮影できるので、色々な時期に歩行やペットの動きなどを録画しておけば、ペットが年を重ねるごとにそれらに変化がないか比較することで、眼に見えない異常を見つけることもできると思います。ペットも人と同じ様に、肥満などにならないように食事の管理が大切です。特に高齢期のペットには、高齢により足りなくなる栄養素を補えるフード、また消化能力も衰えるため、消化の良いフードを与えることが大切です。」■ペットの健康診断の受診傾向は2極化。ペットオーナーの38.8%が、半年に1回以上の割合でペットを健康診断へ連れて行く一方で、ペットオーナーの35.9%は定期的に健康診断へ連れて行かない。また高齢(7歳以上)のペットを飼っているオーナーの84.2%が、自身のペットが健康であると認識。人間同様、年齢を重ねるにつれて重要となる健康診断を、38.8%のペットオーナーが半年に1回以上のペースで受診させている一方で、35.9%のペットオーナーが、「定期的には行かない」または「全く行かない/行ったことがない」と回答しました。ペットを健康診断へ連れて行かない理由としては、「健康診断の料金が高いから」(42.3%)が最も多い結果でした。またペットの健康状態について、89.2%のペットオーナーが自分のペットは健康だと思うと回答し、健康のリスクが高くなる高齢期(7歳以上)のペットの飼い主でも84.2%が、自身のペットは健康だと思うと回答しています。ペットの健康診断に関して日下部先生は、以下のように見解を示しています。「ペットを健康診断に連れて行く傾向は、定期的に健康診断に連れていく飼い主とまったく連れて行かない飼い主で、2極化状態にあるようです。定期的に健康診断に行かない第一の理由が、お金が高いからというのは、否めない事実でしょう。人間ドックのように高度な技術を駆使したペットの定期健康診断は、大きな疾病がない限り必要ないと思います。しかし、ほとんどの飼い主さんが、ペットの健康を気にしている以上、日常の健康管理と健康相談など専門家である獣医師に意見を聞くことは必要かと思います。その獣医師の意見は大変重要であり、飼い主さんに安心を与えてくれます。問診、相談、簡単な血液検査だけでなく、健康を担保できる有効な検査を定期的に受けてもらうことは大切です。従って獣医師の皆様には、高価であるがゆえに敬遠されない健康管理システムの構築とその提供を望むところです。特にペットの年齢に適した健康管理を行うためには、大変重要なことであると考えています。」■ほぼ全てのペットオーナーがペットフードはペットの健康に影響すると思っている。また、ペットオーナーの71.1%が、ペットフードの選択基準として「フードの安心・安全」を重視している。97.3%のペットオーナーが、ペットフードはペットの健康に影響すると回答しており、ペットの健康にとって毎日の食事となるペットフードが重要と認識されています。またペットオーナーの71.1%が、ペットフードの選択基準として「フードの安心・安全」を重視する結果がでており、「安心・安全」は、人の食品と同様に、ペットフードに関しても重要なファクターになっています。ペットフードの安心・安全を判断するものとして、「原材料」(63.3%)、「成分規格」(61.7%)、「原産国」(59.2%)、「メーカー/ブランド」(53.6%)、「含まれている栄養素」(49.7%)が上位の回答としてあがっています。■ペットフードの安心・安全に関して、信頼性の高い情報源は獣医師とペットフードメーカーのホームページ。原材料にかかわる情報への関心が高い傾向。「フードの安心・安全」の重要性は理解しつつも、ペットフードの安全性確保として平成21年に施行された「ペットフード安全法」については57.8%のペットオーナーが、全く知らないと回答しています。そうしたペットオーナーにとって重要な、ペットフードが安心・安全かどうかを調べる情報源としては、「獣医師」(44.9%)と「ペットフードメーカーのホームページ」(42.4%)が上位を占めています。一方で、40.4%のペットオーナーがペットフードメーカーは安心・安全な製品を開発・販売するための取り組みについて情報開示・発信を十分にしていないと回答しています。ペットフードの安心・安全に関してメーカーに公開してもらいたい情報として「原材料の安全検査方法」(27.7%)、「原材料の原産国」(25.7%)、「原材料の選択基準」(15.1%)が上位にあがります。ペットオーナーにおける「フードの安心・安全=原材料の安全性」という認識の傾向がうかがえます。ペットフードの安心・安全に関して、日下部先生は次のように述べています。「ペットにとって毎日の主食となるペットフードは、ペットの健康に大きな影響を与えます。したがいまして、飼い主さんが行う日常のペットの健康管理で最も大切なことは、適切な栄養バランスのペットフード、安全なペットフードを与えることに尽きると思います。そのため多くの飼い主さんは、獣医師やペットフードメーカーのホームページなどから信頼できる情報を得て、フードを購入してペットに与えておられるようです。結果として、ペットフードメーカーは安全で良質なフード製品を提供することはもちろん、消費者に対し、ペットフード原材料の安全検査方法などの安心・安全に関する情報をきちんと開示して行くこと、また獣医師は、専門家としてペットの健康を左右するペットフードの情報を飼い主さんに中立の立場で提供することが、今後ますます求められていくと思います。」【総括】今回の調査結果を通して、日下部先生は以下のように総括しています。「昨今の少子・高齢化の影響で、犬、猫などのペットは飼い主にとって家族同然の存在、『コンパニオンアニマル』(家族の一員)として捉える考え方が浸透してきており、少しでも長くペットと一緒の生活を楽しみたいと考える飼い主さんが増えています。この社会変化を背景に、ペットの健康維持にはドッグドック(人間ドックのペット版)や健診センターの普及など、ペットに対する健康意識の高まりの受け皿となるべき健康管理プラットフォームの充実を求める声が高まってきています。また今回の調査結果から、ペットフードの安心・安全についても、正しいフード選びの際の判断基準となる情報源は、拡散力や影響力の高いSNSや口コミでの情報よりも、獣医師の推薦やフードメーカー公式Webページの掲載情報を拠り所にしている割合が大きかったことから、専門性の高い情報発信元により安心感・信頼感を求めている傾向が強く見られました。さらに調査結果からペットフードはペットの健康管理に欠かせないと認識している飼い主さんが97.3%にも上ることからも、ペットの健康維持と安心・安全に基づいたフード選びの関連性はかなり強まっていると考えられます。今後のペットの健康を議論していくうえで、一日でも早く、健全な生活の基盤となるペットの健康管理プラットフォームが充実されることを期待しております。」■調査概要調査方法:インターネット調査調査地域:全国調査対象:20代~70代以上の犬・猫ペットオーナー1,236名調査実施期間:2016年6月10日~6月11日日下部守昭(くさかべ・もりあき)1982年名古屋大学大学院医学研究科博士課程修了。名大医学部助教授、理化学研究所部長を経て、2007年から東京大学大学院農学生命科学研究科・食の安全研究センター・先端技術開発研究室、特任教授。13年NPO法人ジャパンアニマルウェルネス協会理事長。愛知県出身。シタシオンジャパンについてhttp://www.citation.co.jp/
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