第4回 ノンバーバルコミュニケーションのすすめ!




採用担当者は、志望動機や自己PRを聞きながら、その方の意欲や能力をみています。また、社風(企業風土)に合うか、在職社員と上手にやっていけるかという点も気にしています。これらは話の中身からというより、ほとんど印象度による評価ではないでしょうか。せっかく志望動機や自己PRが言えても、あなたの想いが伝わらなければ何もなりません。

言葉によらないコミュニケーションを「ノンバーバールコミュニケーション」といいます。具体的には、身振り・手振り・視線・表情などで意欲や熱意を伝えることですが、とりわけ視線はポイントです。面接をしていると目を合わせない人や目が泳いでいる人がいます。今日来た学生の目は、スーパーに並んでいる秋刀魚の目のようだった、と嘆くオーナーもいらっしゃいますが、やる気もないのに面接に行く人はいないわけで、ご自分を演出できていないのでしょう。

反対に、話の中身は突っ込みどころ満載でも、とにかく目が輝いていて、やる気が伝わってくるという人もいます。そういう前向きな人に共通するのは、否定語(~はできません)は使わない、結論を先に言うなど、好感のもてる話し方をしていますから、さらに評価も上がります。
つまり、これをもって面接対策とはいいませんが、今自分はどのような目つきをしているのかを意識されたらいかがでしょうか。そのためには、日ごろから友人・知人の話や学校の先生の授業に興味をもって聴くことが大事ではないでしょうか。

ところで、ペットショップなりドッグサロンなりに就職してから毎日出会うことになるお客様との接客を想像してみて下さい。あなたはワンパターンの対応をされるでしょうか。

おそらく相手によって、あるいはその状況によって、声の大きさや速度を微妙に変えていることと思います。それから、お客様のご希望を“探る言葉”を自然に投げかけることができると思います。私の知る限り、トリマーになりたいという方は、お客様の立場になって考えるという習慣が身について、常にお客様が何を求めていらっしゃるかを察知しようとします。トリミングにしても、最初は問診から入りますよね。

面接も同じだと思うのです。常に面接官が何を求めているのか、何を期待しているのかを察知して、余計なことは言わず、ピンポイントで答えることが大事です。極端なことを言えば、同じ面接官でも二度目に出会う場合は、同じトーンは通用しないかもしれませんから、この方は今日は自分に何を求めているのかを察知して、話の切り口を変えてみるのも作戦です。
ただし、相手の“期待値”は変化していたとしても、あなたの魅力を伝えるという目的は、何ら変わることはありません。こう言えば採用されると考えずに、どうしたらご自分の想いを伝えられるかと考えて、身振り・手振りのノンバーバルコミュニケーションで、魂を伝えましょう!
面接官も人間です。あなたと一緒に働きたいと言わせたいじゃないですか。




著者プロフィール 飯田 一成 kazushige iida キャリアコンサルタント。1956年生まれ。神奈川県出身。トリミングスクールの就職部長とペット企業の採用担当ディレクターの経験を生かして、動物系専門学校・ペットスクール等の就職セミナー講師、学生募集のコンサルティングを中心に活動中。 ■動物系専門学校関係者の皆様へ:筆者による就職セミナーのご案内