第3回 志望動機と『自己PR』はセットで考えて!



『志望動機』とともに履歴書の右半分に『自己PR』欄があります。面接でも聞かれますが、「それでは自己PRしてください」とストレートに聞かれることはないと思いますから、何を聞かれても、ご自分の“ウリ”をアピールして、採用側に「できる」という期待をさせましょう!
 
私の経験では、学生の皆さんに多い『自己PR』は、次の5つのパターンに分類されます。

① 資格取得
② 皆勤賞
③ アルバイト経験
④ 性格(明るい、忍耐強いなど)
⑤ 特技など

資格取得が自己PRの第1位なのは、新卒者だけではなくて既卒者(一般のトリマー)もそうで、失礼ですが、あまり聞いたこともない団体の認定資格でも、資格さえあれば採用されるはずと思われているように見受けられます。

 確かに求人票には、ある特定の畜犬団体の有資格者を採用条件とするところもありますが、それは全体のごく一部に過ぎません。資格なんて関係ないとまでは言いませんが、トリマーになるための国家資格はないのですから、少なくとも必須要件ではありません。

 しかしながら、採用内定者の履歴書を改めて見直すと案外資格取得者が多いことが分かります。これはどういうことなのでしょうか。多分、それで採用を決めたわけではないのに、本人が目標に向かって懸命に努力されたことを熱く語るので、あるいは自信に溢れた表情でおっしゃるので、その意欲的な態度が好印象として残った結果ではないかと考えられます。

そのように考えると、自信をもって熱く語れば、内容は上記の①~⑤のなんでもよいことになります。もちろん、具体的にこういう能力や技術がある人、こういうことができる人が欲しいと予め採用側が決めて選考していれば別ですが、ほとんどの場合は、自己PRを聞きながら、その方の人柄や意欲、将来性などをみているのではないでしょうか。

避けたいのは「明るい」「真面目」などと自ら言ってしまうことです。ニコニコしていれば誰が見ても明るいと思いますし、真面目と言われても、ああそうですかで終わってしまいます。むしろ、それらは相手(面接官)に言わせたい“答え”なわけで、(面接を受ける側としては、)そう思われるような姿勢や具体例を語るべきではないでしょうか。

志望動機と自己PR。前者が(そこで)働く“意思”を表明するのだとしたら、後者はそれをやり抜くことができる“根拠”を説明するのだと考えれば、あなたの熱意は必ず伝わります。



著者プロフィール 飯田 一成 kazushige iida キャリアコンサルタント。1956年生まれ。神奈川県出身。トリミングスクールの就職部長とペット企業の採用担当ディレクターの経験を生かして、動物系専門学校・ペットスクール等の就職セミナー講師、学生募集のコンサルティングを中心に活動中。 ■動物系専門学校関係者の皆様へ:筆者による就職セミナーのご案内