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国内最大級の譲渡会「ブレーメンパーク」~殺処分ゼロを目指して~ レポート

カテゴリ : 
イベント紹介
執筆 : 
staff 2018/1/24 15:00 閲覧 (14605)

2017年11月19日(日)に幕張メッセで開催されたブレーメンパークを取材してきましたのでレポートします。
ブレーメンパークとは?


「ブレーメンパーク」は、SEKAI NO OWARIと認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパンが立ち上げた動物殺処分ゼロプロジェクト「ブレーメン」の一環として開催される譲渡会イベントです。この譲渡会には、犬、猫などさまざまな動物が参加するとあります。


さっそく会場である幕張メッセへ。
●参加団体 39団体 参加保護動物  約340頭 ということですが
これほどのスケールで譲渡会が開催されるのは日本では初めてとのこと。


会場に入ってすぐの場所にブレーメンパークの公式グッズを販売するブースがありました。
このイベントのロゴマークや SEKAI NO OWARI のメンバーがモチーフになっている缶バッジやタオル、シリコンバンドやTシャツなどがありました。さながらコンサート会場のグッズ売り場のような感じですが、収益金の全額が動物殺処分ゼロ活動のための資金に利用されるそうです。



会場をさらに進むと・・トリマージェイピー内のブログでおなじみGREEN DOGさんのブースを発見!


2本のフェルトを編みこんだ「犬のおもちゃ」を作るワークショップ(参加費無料)を開催されていました。このワークショップは1日3回に分けて行われたようですが、とても人気のようで、全席完売していました。フード類の販売もされていて、売り上げの一部がブレーメンパークに寄付されたそうです。


次に、このイベントを紹介してくれた「シンデレラプロジェクト」の木村さんを訪ねました。
こちらの団体は、保護動物を一時的に預かり、お世話をされている方(以下、預かりさん)の活動を支援する活動をされています。保護されている動物の「新しい家族」を探すために、健康や清潔感を保ち、さらには新しい家族と暮らせるトレーニングが必要になるわけですが、それを預かりさんが負担するのもなかなか大変ですよね。この団体は、そんな預かりさんの負担をプロの獣医師やトリマー、ドッグトレーナー、動物看護士などプロのスタッフが主体となってサポートをされています。


シンデレラプロジェクトのブースでは爪切りや耳掃除を無料で行うイベントをやっていました。みなさんプロフェッショナルなので手慣れた作業といった感じですが、トリミング技術のない預かりさんだと・・・なかなか簡単にはいきませんよね。取材中も会場に集まっている他の保護団体のワンコたちが訪れては手入れをされていました。


続いて、お隣にあった「フォスターサロン・ジャパン」さんのブースです。
こちらもプロの方々(主にサロンのオーナーさん)が中心となって活動されています。
サロンオーナーさんだと、例えば・・

ボランティアでトリミングを行う(保健所など)

そこで引き取ったワンコ達を自分のお店で預かる

その店を通して新しい飼い主を探す

という一貫した里親探しが可能になるわけですが、フォスターサロン・ジャパンでは、そのような活動をされているショップさん(=フォスターサロン)をWEB上で紹介されています。フォスターサロンやボランティアトリミングに興味がある方はホームページをチェックしてみてください。


各団体のブースには、その団体が保護している犬猫の写真が貼られています。
性別や年齢などの基本的な情報から、その子の性格、お留守番ができるかどうか、先住犬がいる場合はどうか?マイクロチップの有無など一目でわかるようになっていました。


全国各地から色々な団体が集まっていましたが興味深いと思ったのは、単犬種を扱っているボランティアの存在です。シーズー、ラブ、シュナ、ジャックラッセル、ボーダーコリーなどのボランティアがありました。

・シーズー、シーズーミックスを保護する 「Angel's Tale」


保健所に特定の犬種が持ち込まれると、このような単犬種を扱う団体にも連絡が来るそうです。「その犬種に詳しい方に引き取ってもらいたい・・」とする飼い主の意向で直接持ち込まれることもあるそうです。

・シュナウザー、シュナミックスを保護する 「チームシュナウザーレスキュー」


特定の犬種に詳しいボランティアなので、同犬種のコミュニティ内から新しい里親も見つかりやすいとおっしゃっていました。

・ボーダーコリーを保護する 「BCRN (ボーダーコリーレスキューネットワーク)」


太りすぎ??なトイプードルがいました。
聞くと、認知症のおばあちゃんが飼っていたプードルだそうです。認知症のためか、この子たちに食事をどんどんを与えてしまうので(食事を与えた事を忘れて、また与えてしまうの繰り返し)このままでは犬が危険ということで、親族の方がこちらの団体にレスキューを依頼されたそうです。
多頭飼いの崩壊、飼育放棄、迷い犬が多い中で、今回のようなケースがあるのですね。


このイベントの構成メンバーであるピースワンコJAPANさんのブース。ブースの面積は一際大きかったです。ピースワンコJAPANさんのこれまでの総保護数は3253頭にもなるそうです。(2017年12月末)


会場内は神経質な猫への配慮でしょうか・・「犬エリア」と「猫エリア」は分けてありました。猫エリアは犬エリアほどの面積ではありませんでしたが、人の多さでは犬エリア以上だったかも?猫の場合は圧倒的に子猫が多かったですね。


猫エリアで面白いポスターを発見。SNSで話題になった有名なポスターらしい。ただ、このポスターのモデル猫(カッパーくん・オス・推定5才)は、まだ貰い手が見つかっていないそうです(汗)


猫のブースの近くには、こんなに大きなトレーラーハウスが設置されていました。
猫をケージから取り出して、様子をみたり触れたり、里親になるための手続きを行ったりするためのスペースとして愛知県から持ち込まれたようです。トリミングサロンを運営されているFun Placeさんのトレーラーハウス事業「TOREHA(トレハ)」の製品で、通常は移動式のトリミングサロンとして使われています。


来場されている方を観察していると、ドッグショーとは違い、小さなお子さんのいるファミリー層が多いな~という印象を受けました。
何組かお話を伺ったところ「ペットショップから購入するのではなく、かわいそうな動物達を引きとりたいと思った・・」とほぼ全員の方がおっしゃっていました。子供の情操教育の一環として捉えている方も多かったです。


新しい寄付の形として、「ふるさと納税」というキーワードを何度か目にしました。ピースワンコ(ピースウィンズジャパン)さんも活動地である広島県神石高原町と連携して、ふるさと納税を殺処分ゼロに生かせる日本初の仕組みをつくられています。(画像は名古屋市動物愛護センターのもの)


今回、譲渡会とは別に「ブレーメンパーク総選挙」というイベントが開催されました。各保護団体から一押しの一頭をメインステージでアピールしつつ、その団体の活動内容と、犬猫のアピールを行います。


ステージ横にはそれぞれの写真が貼ってあり、来場者は投票することができます。
さてさて、ブレーメンパーク総選挙の結果は・・・

<ブレーメンパーク総選挙グランプリ>
以下、犬部門と猫部門からそれぞれ選ばれた子達です。


ワンちゃん部門 「ユウ」 (茨城県水戸市動物愛護)


ネコちゃん部門 「愛」  (ねこひげハウス)
怖がりなのでケージごと登場!


この他にもメインステージでは、SEKAI NO OWARIとピースワンコジャパン・プロジェクトリーダー大西純子さんのトークセッションがありました。

Saoriさん
「小さな譲渡会は少し入りにくさもあると感じますが、大きな会場だと興味が少しあるだけの方、保護を迷ってる段階の方でも足を運びやすくなるので、今回幕張メッセで開催する意味はすごくあるなと思いました。」

Fukaseさん
「このイベントがふれあいの場所でありたい、みなさんの集まれる場所になりたい。そのような意味も含めてブレーメン「パーク」という名前を付けさせて頂きました。」

DJ LOVEさん
「今日来てくれた人に多いと思うんですけど、こういう場で知ったことを家族に話してもらって忘れずにいてもらえたらいいなと。そのために僕達も活動を続けて行きたいですね。」

Nakajinさん
「開催するにあたり一緒に手伝ってくれた団体を含め、多くの方が色んな意味で集まれる場所が作れたかなと思っています。
譲渡会が終わってしまうと、ここは幕張メッセという会場に戻ってしまうんですが、今後はブレーメンパークという場所が残り、そこにいつでもだれでも集まれる場所があるってそんなのが良いと思います。」

セッションの中で、SEKAI NO OWARIさんと大西さんは共通して「まずは譲渡会の事を知ってもらう事が大事」と仰っていました。


イベント終了後に全参加団体とSEKAI NO OWARIをはじめとする主催者で集合写真。こんなに多くの方に支えられていたのですね。
主催者の方から今回のイベントの集計が届きました。(2017/11/20)

●参加団体     39団体
●参加保護動物  約340頭
●来場者数     3,903名
●譲渡関連情報  
 - 相談中件数 400件  
 - トライアル決定数 128件

今回のように影響力のあるアーティストや芸能人が先頭に立って活動することで、保護犬に対する関心もより一層集まるといいですね。



今回、国内最大級の譲渡会を取材して来ました。これまでの保護動物を取りまく環境では、一部の寄附金に頼らざるを得なかったような状況があったそうですが、昨今ではふるさと寄附金(納税)を殺処分ゼロに生かす取り組みや、ネットを利用した寄付(クラウドファンディング、オンライン寄付)、SNSなどを使い保護動物への関心を多くの人へ届ける仕組みなど、沢山の新しい取り組みが広がりを見せているようでした。
また、今回は細かくご紹介できませんでしたが保護犬団体の地道な活動やそれを取り巻く厳しい環境、保護犬の実態、そしてシンデレラプロジェクトやフォスターサロンのような「プロにしかできない活動」があることを知ることができました。
今後もこのようなイベントや活動に注目して行きたいと思います。


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