■"トリマー"という名称について







「トリミングをする人」という意味で「トリマー」と呼ばれていますが

欧米など諸外国では「グルーミングをする人」という意味で「グルーマー【Groomer】」と呼ばれています。



仕事の内容から考えて、本来「グルーマー」という名称が適当だと思います。

その理由は、日本最大の畜犬団体ジャパンケネルクラブが定めたトリミングとグルーミングの

定義を見ると分かりやすいと思います。




【グルーミングとは】

犬に対する被毛の手入れのすべてをグルーミングという。

したがってトリミングやベイジングはグルーミングの中にふくまれる1つの技法。




【トリミングとは】

犬体各部のバランスをとるため、プラッキング、クリッピングまたはカッティング

などの技法で被毛を整える技術をトリミングといい、単にトリムという場合もある。




つまり、普段トリマーとして行う作業であるブラッシング、ベイジング(シャンプーリンスの作業)、ドライング(ドライヤーで乾かす作業)、そしてトリミングなどは"グルーミング内の一作業に過ぎない"ということです。

ゆえにグルーミングを行う職業に対して、別の意味を表すトリマーという呼び方は本来間違っていると言えるでしょうし、あえてグルーマーと呼ぶ人もいます。


日本には「和製英語」という特殊な言葉が存在します。職業関係で例をあげるならば、タレント・カメラマン・スタイリストその他サラリーマン、OL、アルバイト、フリーターなどは英語の意味とは違って使われています。それと同じく、英語ならば「グルーマー」という職業ですが
、これを「トリマーという和製英語の職業」と置き換えれば納得できるかと思います。

この日本独自の名称は、今日の日本においてもっとも普及した認知度の高い名称であり、これからも「トリマー」という名称で普及していくことは間違いないと思います。



また、トリマーに近い業種として「動物看護士」がありますが

この名称はアニマルヘルステクニシャン【AHT】、ベテリナリーテクニシャン【VT】

ベテリナリーナース【VN】、アニマルナース【AN】といった感じで
バラバラの名称で呼ばれています。
このような混乱を避ける意味でも当サイトは「グルーマー」という名称は使わずに

「トリマー」という名称で統一しています。



「日本独自」と書きましたが、実は「トリマー」という名称はアジア地域でも広く使われています。それは、東洋一のペット先進国である日本のペット文化が近隣諸国に影響を与えていることを意味します。おそらく我々日本人よりも名称をめぐって混乱している国があるかもしれません。



ちなみに「トリマー」という名称はあるトリミングスクールの先生が名づけたそうです。

(前に一度、ご連絡いただきましたが忘れてしまいました。ご存知の方がいたらご一報くださると助かります。)